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生産調整で集中的取り組み 農水省
−−稲発酵粗飼料の作付け 大幅増の見込み(4/9)

 農水省の生産調整推進プロジェクトチームは、4月6日に今月以降の生産調整の推進活動内容を決めた。同プロジェクトチームは、4月を確実な達成に向けた最終段階として、推進活動を「サクセス101(ワンオーワン)」(生産調整101万haの達成を成功させると言う意味)を名づけている。
 3月末までのまとめでは、市町村での水田農業推進協議会は、9割の市町村で開催され、13年産の目標面積の配分も、8割の市町村(2546市町村)で終了している。昨年の同時期の進捗状況と同水準だという。また、12年緊急総合米対策で決まった「需給調整水田」の配置は、JA県中央会からJAへの配置は9割の都道府県で終了し、地区・農業者への配置も3割の市町村(877市町村)で実施されている。
 おもな早場米地帯(14県)の食糧事務所の聞き取り調査では、すべての県で12年産にくらべて作付け面積が減少する見込みだ。また、播種用種子の予約数量について、都道府県の種子協会などへの調査では、作付け面積ガイドラインの減少率(▲2.7%)以上の4.4%の減となっている。
 農水省では、この1か月が作付け面積ガイドライン・生産調整をふまえた適切な水稲の作付けが行われるかどうかの分かれめであると判断し、(1)JA全中・JA全農と連携して特定地区(3月の推進期間中にさらに推進活動を行う必要があるとした地区)の市町村長、JAに対して共同推進活動を実施。(2)未達成に影響を及ぼしていると考えられる大規模生産者、農業生産法人などに対して、食糧事務所が市町村、JAと連携して個別訪問し協力要請する。(3)稲作経営安定対策と加入促進運動と連動した推進活動。(4)稲発酵粗飼料のさらなる普及。(5)農水省とJA全中が共同して新聞広告を行うなど、水稲作付け前の生産調整の必要性についてPRする、などの取り組みを行う。

◆稲のホールクロップサイレージ 昨年の5〜6倍か

 松岡農水副大臣は、9日の副大臣・政務官会議後の記者会見で「セーフガード、有明問題が話題となっているが、農政のいちばんの課題は米の需給問題。3月も最大限努力してきたが、何とか一応の目標達成は実現していると思う」と語った。松岡副大臣がこうした見通しを語った理由のひとつには、生産調整手法として重要な稲発酵粗飼料(稲のホールクロップサイレージ)への取り組みが拡大していることがある。
 この取り組みを推進するための都道府県段階での協議会は、3月末時点で44道府県にのぼり、これまで実績のなかった県でも新しい動きが出始めている。たとえば、ほとんど稲発酵粗飼料の作付けが行われていなかった秋田県では50〜70ha、茨城県で30ha、千葉県で30haなどの作付けが行われる見込みだ。
千葉県では、13年度から10aあたり1万円を独自に助成する。作付け面積が見込み面積を超えた場合には、補正予算を組んで対応するという。また新たに市町村が参加することによって昨年より大幅に増加する県もある。熊本県では144haが300haに、宮崎県では82haが900haに、埼玉県では35haが70haになると見込まれている。松岡副大臣は会見で「昨年の5〜6倍まで行く」と話したが、農水省は今後も都道府県からの要望があれば、本省や農政局が直接現地に出向いて指導を行ったり、農業技術研究機構(独立行政法人)も技術指導を行うことにしている。



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