◆初めて前年を下回った国内生産量
冷凍食品の平成12年(1〜12月)国内生産状況は、数量が149万8700t(対前年比99.6%)、生産金額(工場出荷金額)7377億円(対前年比98.4%)と数量・金額ともに前年を下回ったと(社)日本冷凍食品協会が4月12日に発表した。国内生産量が前年を下回ったのは、昭和33年に「冷凍食品統計」を開始してい以来初めてで、金額が前年を下回ったのは昭和39年以来、36年ぶりのことだという。
冷凍食品の国内消費量は、国内生産量に輸入冷凍食品量を加えたものだが、財務省の通関統計では「冷凍野菜輸入数量」は把握することができるが、「調理冷凍食品」は該当する独立した項目がないため抽出することができない。
そのため冷凍諸君協会では、国内生産量に冷凍野菜輸入量74万4332(対前年比100.2%)を加えたものを国内「消費量」としているが、その数量は224万3032t(前年比99.8%)で、これを総人口で割った国民1人当たり年間冷凍食品消費量は17.67kgとなる。
冷凍食品協会では、協会会員の内、調理冷凍食品を輸入している会社を対象に平成9年から「調理冷凍食品輸入高調査」を実施しているが、この調査によると12年の調理冷凍食品の輸入数量は、前年よりも約2万8000t(約28%)増えているという。これを加えた「実際の消費量(供給量)は、1%前後の増加となったものと推察される」と冷凍食品協会でみている。
調理冷凍食品は、冷凍食品協会会員以外にも、商社やスーパーなどが輸入しているがその実態は不明だが増えていると考えられるので、協会の推察よりも冷凍食品の消費(供給)量は増加しているのではないだろうか。
◆圧倒的シェアをもつ輸入冷凍農産物
この調査によれば、12年の国内生産による農産物冷凍食品は9万4754t(対前年比103.0%)、畜産物は2万1096t(対前年比98.8%)となっている(フライ類など調理食品を除く)。冷凍農産物についてみてみると、国内生産量と冷凍輸入野菜の合計は83万9086tとなり、その内国内生産量は11%で、輸入品が実に89%のシェアを占めていることになる。
生鮮野菜の価格低落が国内生産者の死活問題として大きくクローズアップされ、セーフガードの暫定発動が決定されたが、冷凍食品など輸入加工品についての対策をしっかり考えていかないと、生鮮野菜の価格低落に歯止めをかけることは難しいのではないだろうか。
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