自主米の販売好調 米情報委員会発表 |
自主流通米の売れ行きが好調に転じ、3月に入って販売状況が様変わりした。12年産米の販売は、出回りから9ヵ月連続して前年実績を上回り、3月末累計で191万tと、前年を24万t程度上回った。JA全中、全農、全集連による「米の需給・価格情報に関する委員会」の19日発表によると、卸売業者の3月末在庫も約23万tと前月に比べ2万t程度減少している。 この売れ行きを裏づけるようにコメの一人当たり消費量(一ヵ月)も2月は前年同月より2.4%も増えた。この高い伸び率は、今の調査方法になった平成8年以来初めてのこと。消費世帯だけをみると、2.7%も伸びた。 消費量は昨年4月に増加に転じてから、一進一退を繰り返していた。前年同月に比べた伸び率は1%未満の月が多かったが、2月は2%台に乗せた。 問題は生産世帯の消費量が一昨年7月以後、伸びなかったことだ。今年2月は増加に転じたが、伸び率は0.9%と低い。 販売をみると、コシヒカリやあきたこまちなどの人気銘柄がよく売れている。一方では、牛丼効果もあって、コンビニ弁当などを含め、外食産業が要求する安いコメも伸びている。改正JAS法で、インチキ米が売れなくなったことも伸びにつながっているようだ。 しかし、人気銘柄にしてもスーパーなどから買いたたかれて卸売業者は「もうかりません」という。 卸売業者の月末在庫は、昨年11月が31万tで前年同月に比べ約12万tも少ない。12月からは20万t台となり、今年3月末では23万3000tに減り、前年より9万4000t少ない。 入札取引は、3月27日に全銘柄平均で60kg1万6018円となり、12月入札から4回連続して前回の平均価格を上回った。落札残比率も0.7%で前回の1.7%より減少し、改善傾向が続いた。 これは▽64万tの市場隔離数量を公表するなど緊急総合米対策の具体化により、先安感が払拭されたこと▽7年産の政府持ち越し米や計画外流通米など安い原料米の供給量が減ったこと▽産地の経済連が整然と販売に取り組んでいることなどによる、と米情報委員会は分析している。 最終集荷見込みは484万t程度で、前年実績を12万程度上回る見込み。 計画外流通米の推定出荷量は、11年産が292万t、12年産が310万tと増えた。これは生産量が31万t増えたためと考えられる。 一方、政府米の販売は13米穀年度の昨年11月から今年3月まで計2万6000tで前年同期より5万4000tも少ない。 |