JA共済事業を補完してきた共栄火災海上保険相互会社(小澤捗社長)の18日発表による13年3月期決算は、経常利益が32億円で前期比17億円減少したが、経費削減で当期剰余は6100万円増の9億1300万円増となった。
一般企業の売上高にあたる正味収入保険料は、価格競争の中で保険料引き下げなどが影響して1713億円と前期比1.8%減少した。建物更新保険の約14%減収が大きい。次いで火災保険の2.1%減。一方海上保険は増収だ。
正味支払保険金も882億円と14億円減少したが正味損害率は56.9%と0.1%上昇した。
損害率は自賠責保険で2.9%も上がって77.8%になったのが目立つ。
支払い余力(ソルベンシーマージン)比率は691.1%で昨年3月末に比べ4.7ポイント上昇した。
14年3月期の業績は、正味収入保険料1730億円、経常利益70億円の増収増益を予想している。
なお、同社は今年2月に全共連との具体的な提携事項について合意した後、3月には朝日生命、東京海上火災、日動火災海上で結成したミレア保険グループに参画することで合意し、持株会社方式による経営統合を目ざしており、規模の利益を追求する。
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損保5グループ12社の18日発表による今年3月期決算は大手が増収となったが、中堅は軒並み減収で苦戦。明暗が分かれた。
◆共栄の新役員内定
共栄火災海上は6月28日付けの役員人事予定を18日発表した。植木義朗、田村駿両専務が代表取締役専務に、また藤田元彦、土方智両取締役が常務に就任し、飯島宗文・上席執行役員と大矢裕・執行役員が新任常務候補となった。
鈴木秀治会長、小林多喜男副社長、塩月恵二専務らは退任し、塩月氏は共栄火災しんらい生命保険株式会社の社長に就任の予定。
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