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『安心システム』産地認証などスタート
JA全農の12年度事業報告(6/22)

 JA全農は平成12年度の事業報告をまとめた。7月27日の通常総代会にはかる。報告書の概要は▽経済連との統合連合づくり▽販売力と事業推進力の一層の強化▽今年度から5年間の「中期事業構想」の策定など、新全農の土台づくりに向けた施策を展開してきた、としている。
 統合は12年度末までに27都府県経済連との合併が実現しており、さらに来年4月には7県連が加わって合計34県連との合併による新全農が発足する。
 しかし全農には「漠然と大きく遠い」などのイメージ(調査結果から)があるため統合を機に『もっと近くに』というメッセージを打ち出した。組合員と消費者にとって、より近くて親しみやすい存在になることを目ざしたアピールだ。
 こうして前年度は新全農の目ざす姿などを示す中期事業構想を策定し、新全農の土台づくりに着手した。
 事業改革では『物流情報センター』と『全国事務集中センター』の設置検討にかかった。広域集中システムの構築で、生産資材コストの低減をはかる。
 低コスト品目の供給では開発輸入をしているヨルダン肥料『アラジン』をはじめ原体メーカーから直接購買する水稲除草剤などの取り扱いを拡大した。
 石油・LP事業では9月に有明石油基地(福岡)が稼働。またセルフ方式のガソリンスタンドの実践SSを展開するなど競争力の強化をはかった。
 営農関係では、畜産で、ハイコープSPF豚(清浄豚)生産農場の新規造成を進め、また和牛受精卵とET妊娠牛の生産・供給機能を拡大。さらにJAグループとして『畜産経営継承支援事業』を創設した。
 耕種生産の支援強化では残留農薬検査の拡大、『種苗事業賠償補償制度』の創設、さらに国の助成を活用した『認定農業者支援緊急リース事業』を推進した。
 情報提供では『営農相談2000』による相談対応を充実。また『担い手対応室』を新設した。
 環境対策では、廃プラの適正処理施策を進め、また畜産環境アドバイザーの養成や『畜産環境対策室』の新設などがある。
 販売力の強化では、農産物の認証制度『全農安心システム』を制定。『宗谷黒牛』(北海道)を手始めにJAあきた北央の『あきたこまち』などコメで3JAを認証した(今年度認証分を含めると4JA)。
 この制度は、量販店や生協など取引先との合意で、生産過程の情報を知らせて販売する仕組みだ。今後、品目と産地を広げていく。
 商品開発では、米粉入り国産原料無添加パンや低アレルゲン米レトルト米飯を商品化、また食味と収量の向上を目ざして種子メーカーと共同開発した『全農ブランド野菜』の取り扱いを拡大した。
 販促では、青果物で生協と商品開発・事業推進などの共同事業を広げた。
 一方、野菜輸入の価格低迷対策では、産地廃棄などの需給調整を実施した。

 
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