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農政・農協ニュース

食品の内外価格差 ニューヨークとは縮小
―― 海外主要都市の小売り価格調査まとまる(6/29)
 農水省は6月29日、東京と海外主要5都市(ニューヨーク、ロンドン、パリ、ハンブルグ、ジュネーブ)の食料品小売価格調査結果を公表した。調査時期は平成12年11月。対象品目は42品目。

 各都市の一般小売店で販売されている肉類、乳製品、卵類、野菜類など29の共通食品では、東京を100とすると、ニューヨーク78、ロンドン66、パリ59、ハンブルグ52、ジュネーブ84となった。ただし、共通食品に米、みそ、しょうゆなど日本食品を加えてくらべた場合は、ニューヨーク91、ロンドン85、パリ74、ハンブルグ75、ジュネーブ99と、東京と同程度から2割高ほどになる

 ニューヨークの前回(11年11月調査)の東京との比較指数は70で、内外価格差は縮小したことになるが、他の都市は軒並み拡大した(前回はロンドン70、パリ65、ハンブルグ58、ジュネーブ86)。これはニューヨークを除いて各都市とも1割前後の円高となったため。

 ただし、購買力平価(同じ品質・規格の商品を東京と他の都市で購入する場合にそれぞれいくらで買えるかを表したもの)はニューヨーク141円/ドル(前回151円/ドル)、ロンドン242円/ポンド(同249円/ポンド)、パリ24円/フラン(同26円/フラン)、ハンブルグ93円/マルク(同97円/マルク)、ジュネーブ74円/スイスフラン(同80円/スイスフラン)で、購買力平価は改善されすべての都市で東京の価格が安くなる方向に変化している。
 過去10年間の食料品の購買力平価の推移をみると、いずれの都市でも着実に価格差が縮小されている。東京とニューヨークの購買力平価は平成3年と12年では約3割縮小しえいる。ただ、この間の為替レートは2割弱の円高となったため、価格差の縮小は1割程度にとどまった。
農水省では、購買力平価の改善は、農産物価格政策の見直し、食品の流通効率化の効果が現れてきていること、さらにわが国のデフレの進行によるものとしている。デフレ進行の象徴ともいえるハンバーガーは、前回調査時点では一個136円だったが、今回は91円だった。この価格を100とするとニューヨークは112、ロンドンは121、パリは86。

 食料品の内外価格差の要因は、農業の生産要素や流通・加工などにかかるコストの影響も大きい。農水省のまとめでは、米国とくらべると、1戸あたりの農地面積は110分の1の一方、農地価格は113倍となっている。また、電気料金3.3倍、ガソリン価格は2.6倍、航空貨物運賃は1.5倍などとなっている。


農業協同組合新聞(社団法人農協協会)
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