販売力を強化するため、生産と販売を直結させる企画専任者を全JAに置いて営農指導を充実させるという方針に従ってJA全中は専任者育成のプログラムを作った/また大規模経営や法人などの担い手とJAの連携を強化するために、県域で専任担当部署を設置したのは13県となった−−などの報告を内容とする「JA全国大会決議の進捗状況」を全中が5日まとめた。
JAグループは昨秋の大会決議で、農協改革などを急ピッチで進める3年間の方針を打ち出し、重点事項についての行動計画を立てて、取り組みの状況を4半期ごとに示している。4〜6月期の状況は5日の理事会に報告した。
これによると、JAの販売力を強化する取り組みでは、生産・販売企画専任者研修会を5月に開き、また市場や量販店などとマーケティングの意見交換を6月に実施した。当面は合併JA交流集会で販売力強化の分科会を開く予定。
担い手との連携を強める専任部署は、JA山形おきたま、JAそお鹿児島などが設置。また県域では13県連・県本部が設置した。
販売力を強化するため、取引先と産地の合意で生産過程の情報を開示しながら農畜産物を販売する「安心システム」の構築は、コメと牛肉で累計7産地を認証した。また認証検査を日本オーガニック検査員協会に委託した。7月には茶飲料などを認証の予定。
生産資材コストの低減では「広域受発注・物流情報センター」の設置などによる広域集中システムを構築するが、前4半期では、北部九州(福岡、佐賀、長崎、大分)をモデルブロックとした広域システムの検討に着手した。平成15年度の稼働を目ざす。
また佐賀県連と物流センターシステムの共同開発にも着手したが、これは14年度に稼働の予定。
さらに広域配送拠点の整備は栃木、千葉、新潟、兵庫、徳島で取り組む。
ロットや配送形態を加味した価格体系では、農薬について割安な大型規格品を設定。またJA全農が開発輸入をしているヨルダン肥料「アラジン」と、段ボールについては配送条件に応じた価格を設定した。
生活関連事業では赤字解消に向け、全国1521のAコープチェーン店舗の総点検にかかり、9月まで実施する。
一方、信用事業では、JAなどの破たんを未然に防止する自主ルールの骨子案をまとめた。今後は組織協議を経て12月の農林中金臨時総代会で決定する。
不良債権を買い取って、回収する「系統債権管理回収機構梶v(系統サービサー)も4月に設立し、業務を開始した。
経営と組織の改革では、自主ルールと連携した経営改善指針をまとめた。
また経営管理委員会制度の導入は、すでにJAならけんが実施しているが、前4半期にはJA香川県とJA郡山(福島)が導入を決めた。また22信連、4経済連、7厚生連が導入を決定。さらに全農と全共連が導入の検討を始めた。
中央会の経営指導機能の強化については、統一的な「監査実施マニュアル」の検討案を協議中だ。また今年度中に「JA全国監査機構」設立準備委員会を発足させる。