農水省統計情報部が7月2日発表の「生鮮食料品のマーケット・レポート(6月下旬分)」によれば、野菜ではトマトが売れ行きを伸ばし、果実では、さくらんぼ、ももが好調な売れ行きとなっている。概要は次のとおり。
★旬の売れ筋情報
☆野菜(東京)
〇テレビの影響もあり、にがうり(ゴーヤ)が売れ行き絶好調。チラシで販促を仕掛けると1日で300〜400本売り上げる。関連商品の「ゴーヤチャンプルの素」も好評(量販店)
〇とうもろこし(味来)は甘くて美味しく、よく売れている。たまねぎ(ばら売り)、トマト(徳用袋入り)、さやいんげん(袋入り)、ながいも(100g19円)、アスパラガス(輸入、100g58円)も売れ行き好調。また、試食販売したえだまめ、かぼちゃもよく売れた(小売店)
(大阪)
〇レタス、トマトを中心にサラダ用野菜が売れ行き好調。夏野菜ではオクラ、長とうがらし、とうもろこしがよく売れている。キャベツ、ししとうは相場高から値頃感での提供ができず売れ行き不振(百貨店)
〇売れ筋はトマト、この時期特に伸びている。なすは品数も増え、売れ行きも良い。健康ブームできのこ類も安定して売れている。青うめは終期に入ったが売り上げ数量は伸びている(量販店)
〇夏野菜のトマト、きゅうり、なすが本格的に動きだした。サラダ材料のレタス、サニーレタスも順調。薬味用野菜ではしょうが、みょうが、おおばが売れ行き好調(小売店)
☆果実(東京)
〇果実全体の売り上げは前年並み。さくらんぼ(山形産)の売り上げは前年の39%増で、果実全体の10%を占めている。ももの売り上げは前年の54%増、プラムは同23%増、ハウスみかんは同19%増。一方、すいかは同25%減と振るわず(量販店)
〇旬のさくらんぼ(山形産、佐藤錦)、すいか(4分の1カット)、ハウスみかん、バナナがよく売れている(小売店)
(大阪)
〇果物全体によく売れている。すいか(鳥取産)の売り上げは気温の上昇に伴い前年に比べ2倍近い伸び。もも(和歌山産2個売り)、プラム(山梨産)、デラウエア(大阪産)も売れ行き好調。さくらんぼ(山形産)も値頃となり、非常によく売れている。アメリカンチェリーは値が下がったものの、国産さくらんぼに押され気味(量販店)
〇もも(山梨産)は初入荷から味も良く、価格も手頃で消費者に好評(量販店)
★旬の販売戦略
(東京)
〇夏野菜のばら売りを実施。値頃感ある価格で提供し、必要な量を購入していただける売場づくりを行う。サラダ用野菜は関連商品のドレッシングとの併売で拡販を図る(量販店)
〇野菜は暑い日が続くので、とうもろこし、えだまめなどおつまみ野菜の販売を強化。葉しょうが、みょうがなどの涼味野菜で涼しさを演出。果実はアメリカンチェリー(ビング、レーニア種)の計量試食販売で拡販を図る。メロン(タカミ、クインシー、アンデス、アムス)を試食販売し、美味しいメロンを食べ比べていただく(量販店)
〇野菜はトマト、レタス、きゅうり、ほうれんそうなどを日替わりでお買い得商品として提供。露地物に切り替わったえだまめは値頃感のある価格での販売がしやすくなったので「新鮮さ」をPRし、積極的に販売。果実はもも、ぶどう、メロン、カットすいかを中心に積極的に販売(小売店)
(大阪)
○野菜は、夏野菜などのメニューを提案、特売は毎日メインの品を替える。とうもろこし(ピーターコーン)は鮮度と糖度に注意し、味のばらつきがないよう品質に気を配る。果実はサマーギフトシーズンとなるためギフトセットを提案。商品構成と価格に留意しながらニーズを探る。もも(和歌山産)のピークを迎えるため、品揃えを充実させ販売強化を図る(量販店)
〇野菜は低予算で手軽に作れスタミナの付く韓国、中華、エスニック料理をメニュー提案し、材料としてにんにくの芽、にら、ピーマン、たまねぎなどを販売。果実はさくらんぼ(国産)を天候を伺いながら販売を拡大する(小売店)
〇野菜はトマトをかご盛りで販売。スイートコーンは日替わりで1本売り、パック売り、袋詰めで販売。果実は前面平台にスペースを広くとって、さくらんぼ、ももを販売。天気の良い日はすいかも同様にする(小売店)
★食卓から産地へ
(東京)
〇青うめと南高うめの違いがわかりにくいので、産地リーフレットなどを作成して欲しいとの声(量販店)
〇さくらんぼの食味にばらつきがあるとの声(量販店)
〇きゅうりの切り口が茶変色した。レタスから異臭がするとの声(量販店)。
(大阪)
〇おいしいトマト、すいか、ももの選び方、うめ、らっきょうの漬け方をわかりやすく教えてほしいとの声(量販店)
〇すいか(愛知産)の味が良い。さくらんぼ(山形産)は味の良い物とそうでないものとのばらつきがあるとの声(小売店)
〇オレンジ(アメリカ産)は値頃感はあるが、食べにくいとの声。プラムは水っぽいので、完熟の味の濃いものを望むとの声(小売店)