農水省統計情報部が7月11日発表した「生鮮食料品のマーケット・レポート(小売業情報・7月上旬分)」によれば、野菜ではトマト、レタスなどサラダ用が依然好調な売れ行き。果実ではもも、すいかが東西とも売れ筋となっている。概要は次のとおり。
★旬の売れ筋情報
◎野菜(東京)
〇暑さが続く中、夕方の来店客が目立つ。相場安にもかかわらず売れ行きが鈍い中、鮮度感のある朝採りとうもろこし、えだまめがよく売れている。トマトも好調で売り上げは前年の20%増(量販店)
〇「100円均一セール」が好評。レタス、きゅうり、トマトなどサラダ用野菜が依然好調。特にトマト(山形産、ハウス桃太郎)は甘味があってよく売れている。とうもろこし(味来)も甘味抜群で消費者に人気(量販店)
(大阪)
〇好天が続き、きゅうり、レタス、トマト、えだまめ、ししとう、とうがらし(赤、甘長)、辛味だいこんなどが売れ行き好調(小売店)
〇新かんしょ、オクラ、ツルムラサキ、モロヘイヤが売れ行き好調。なす、とうもろこし、かぼちゃ、終期に近づいた新しょうがも売れている(小売店)。
◎果実(東京)
〇ももはチラシで販促を仕掛けたこともあり、売り上げは前年の2倍増。すいかは連日追加発注するほど大きく売り上げを伸ばしている(量販店)
〇すいかの売り上げは大きく伸び前年の20%増。もも、すもも(プラム)も好調でそれぞれ20%増をキープ。先月まで好調だったトロピカルフルーツは、グレープフルーツの産地が変わったことと、バナナの売り上げが落ち込んだため伸び悩み(量販店)
(大阪)
〇もも、デラウエア、すいかが売れ行き好調。よく売れていたバナナやその他の輸入果実は気温が高いせいか売れ行きがやや不振(百貨店)
〇すいか(鳥取産)がよく売れている。ももは大玉2個入りパックが売れ筋。サマーギフトセットも好評。巨峰の化粧箱入り、デラウエア、ピオーネの2kg箱、メロンと巨峰のセットがよく売れている。赤肉メロン(北海道産)も好調(量販店)
★旬の販売戦略
(東京)
〇野菜はお盆セット、お供えセットを用意し、なす、きゅうり、さやいんげん、新かんしょなどを集合販売する(量販店)
〇暑い時期なので売場全体に涼しさを演出し、消費者の購買意欲をそそる。夕方5〜8時頃の売場の品揃えに注意する。野菜はトマト、きゅうりなどのサラダ用をコーナーで展開。葉付きえだまめ、朝採りとうもろこしを中心に鮮度感のある売場作りを行う。果実は売場の入口にすいかの山積みと冷やしたカットすいかの販売で涼しさを演出。もも、なしのスペースも拡大(量販店)
〇野菜はえだまめの試食販売を実施。なす(近郷産)は品質も良く、値頃感での提供が可能なので量販を図る。果実は、ももがおいしいので店頭一番台で量販。ぶどう(デラウエア)は1房100円で販売する(小売店)
(大阪)
〇きゅうり(四葉)、かぼちゃ(プッチーニ)などの珍しい野菜には調理方法などのレシピを付けて販売。とうもろこしは品質が良いので極力皮をむいて販売する。果実はメロンの半切りを見本で陳列。さくらんぼ、実えんどうなどの計り売りの際は手袋を着用し安心感を出して販売(百貨店)
〇野菜は夏本番に向け行楽用(山向け、海向け)のコーナーを作り、食材提案や簡単メニューを紹介しながら販売。果物はサマーギフトとともに手軽なギフト、すぐに食べられるギフトなど消費者のニーズに対応した販売を行う(小売店)
〇なす(長なす、千両なす、べいなす、加茂なす)、アスパラガス、にんにくの芽、花にらを前面に出して販売。かぼちゃ(えびす、1/4切り、半切り)、おおば、かいわれ(ポット入り)を特売。果実はすいか(1/6切り)、もも(白桃、白鳳)、ぶどう(デラウエア、巨峰、種なし巨峰)、すもも(ソルダム)、メロン(アムス、アンデス、ルピン、デリシイ)などの拡販を実施(小売店)
★食卓から産地へ
(東京)
気温が高くなり野菜、果実に品質低下がみられるとの声(量販店)
〇暑さの影響で全般的に劣化が早い。さくらんぼに傷みが多いとの声(量販店)
〇ももは非常に甘くておいしいとの声。一果採りすいか(千葉産)の人気が高い(量販店)
〇とうもろこし(味来)は甘くておいしいが、実がやわらか過ぎるとの声(小売店)
(大阪)
〇国産パインアップルを望む声が寄せられている(量販店)
〇キウイフルーツ(ゴールデン)が甘くておいしいとの声(量販店)
〇新鮮な朝採りの野菜を置いて欲しいとの声(小売店)
〇グレープフルーツの原産地がわからない。原産地表示を徹底してもらいたいとの声(小売店)