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農政・農協ニュース

 飲用牛乳の新表示 順調にスタート(7/15)
 小売店に並ぶ牛乳パックの商品表示がすっきりと見やすくなった。以前は生乳を使っていないのに「コーヒー牛乳」とか「低脂肪牛乳」などと名乗ることができたが、今後は生乳100%使用の飲料でないと「牛乳」を名乗れなくなった。
 業界団体が変更した新たな飲用乳表示の規約を、公正取引委員会が認めた結果だ。11日実施となったが1年間は旧表示の容器を使うことができる。
 しかし7月15日現在、首都圏の量販店売場をみると、各メーカーとも新表記に切り替えたようだ。
 商品名の大きな活字の下に少し小さく「種類別」として牛乳か、乳飲料か、加工乳かを明記して、区別できるようにしてある。
 従来は、輸入ものの脱脂粉乳を水で溶いた乳飲料や加工乳でも牛乳という商品名をつけることができた。
 このため、パックの裏に小さく印刷された一括表示欄を見ないたいていの主婦は区別ができなかった。
 昨年夏、雪印乳業の食中毒事件から、表示の改善を求める声が強まり、農水省は昨年8月から検討会を設けて関係者の意見をまとめようとした。
 酪農家代表委員は「簡単に生乳100%か、加工品かの2区分にすべきだ」と主張。消費者代表は「乳飲料と加工乳に生乳の使用率表示を」などと求めた。
 しかし、乳業メーカー代表は「牛乳と加工乳の成分には、それほどの差がない」と疑問を呈し、「生乳使用割合の表示を義務づけるなら検査を厳密にしないと企業の存続に関わる」などと難色を示したりした。
 こうして議論の決着がつかず、乳製品メーカーなど約720社でつくる全国飲用牛乳公正取引協議会(代表は明治乳業社長)の新たな飲用乳表示規約づくりは今年7月にずれ込んだ。
 申請を受けて公取が認めた規約変更の概要は▽牛乳と表示できるのは、生乳100%で、無脂乳固形分8%以上、乳脂肪分3%以上▽無脂固形分8.5%以上乳脂肪分3.3%以上は特別牛乳といい、これも牛乳と表示できる▽一括表示欄には「生乳100%以上」と表示することを義務づける▽加工乳と乳飲料には一括表示欄に「生乳(50%以上)」または「生乳(50%以下)」の表示を義務づける▽一括表示欄以外のところには生乳50%以上の場合固定値も表示する、などとなっている。


農業協同組合新聞(社団法人農協協会)
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