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農政・農協ニュース

日本提案の詳細説明ペーパーを提出−−農水省(7/16)
 WTO農業交渉は、現在、各国が提出した交渉提案について項目ごとに検討作業が行われているが、日本は7月23日〜27日に開かれる農業委員会特別会合に向け、日本提案の内容を詳しく説明したペーパーをWTO事務局へ提出した。
 提出したのは、「輸出支援措置」、「国家貿易」、「輸出禁止・制限」、「食料安全保障」、「国際備蓄」、「食品の安全性・品質」の6項目。  「輸出支援措置」では、現行のWTO農業協定が輸入に関する規律にくらべて緩やかになっていることから「輸出に関する措置について輸入に対する規律と対称となる規律を導入する」ことが日本の基本的な考えであることを説明。
 輸出補助金のさらなる削減とともに、「毎年等量での削減」を行うべきで「(輸出補助金の)ロールオーバー(繰り越し)や前借りを可能とする条項は撤廃すべきである」と主張している。
 また、日本提案ではすでに国内支持のうち輸出補助の性格があるものについては輸出規律の対象とすべきと主張しているが、具体的に対象とすべき政策の考え方として「生産のX%以上が輸出されている品目について、不足払い等輸出を振興する効果のある政策措置」を提唱している。農水省は、米国のマーケティング・ローンも品目によってはこの政策措置にあたるという。
 さらに、こうした政策措置は、削減対象となる総合助成合計額(AMS)にあらかじめ含めると同時に、「そのうちの輸出に関わる分については輸出規律の対象にも含める」と主張している。すなわち、輸出補助的な政策は、従来どおり国内支持策として削減対象とするのと同時に、今回の交渉ではさらに輸出規律の強化の観点からも削減すべき、という提案となっている。
 輸出国の不作時などの「輸出禁止・制限」については輸出禁止や制限措置をすべて「関税化(輸出税)」することを提案。これは、ウルグアイ・ラウンドで輸入についてはすべて関税化したのと同様、に輸出についても関税化して、輸出入に関する権利・義務のバランスを回復すべきだとの考え方に立ったものだ。
 その輸出税の設定については、各国が輸出税率案を申し出て関係する2国間協議で確定するよう提案。また、その税率は協定の「実施期間中段階的に合計で平均36%+○%削減する」(○は今回の交渉で決める)ことを提案している。さらに、輸入についてミニマム・アクセス機会を設けているのと同様に、「過去3年間の平均生産量の5%分に相当する輸出について輸出税を非課税とする」ことも主張している。
 輸出国の天候異変などで、食料安保の観点から緊急に輸出量の調整を行わなければならない事態になったときは「短期的な輸出制限を認める」としているが、その場合も全面的な輸出禁止ではなく一定量は禁止の対象としないこ方式の導入を提起している。 
 農水省は今回の詳細説明は「輸出国を攻撃する」のが狙いで輸出規律の見直しをWTOで訴える。9月、12月にもWTO農業委員会特別会合が予定されているが、会合の議題に合わせ、特別セーフガード、緑の政策などの項目について詳細説明ペーパーを提出し交渉に臨む方針だ。


農業協同組合新聞(社団法人農協協会)
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