農水省生産局は7月26日、平成13年度病害虫発生予報第4号を発表した。向こう1ヶ月の主要な病害虫の発生動向では、特に斑点米カメムシ類の発生が多めと見込まれるとしている。都道府県の発生予察情報に留意し、地域ごとの防除要否を見極めて適時適切な防除指導を行うようよびかけている。概要は次のとおり。
1、水稲
葉いもちの発生は北日本及び東日本の一部地域で「やや多い」と予想される。
本年は梅雨入り後も全国的に好天が続いたことから、葉いもちの発生は全体的に少なく推移した。しかし、6月上旬半ば以降、日本付近に前線が停滞し、全国的に曇りや雨の日が多くなり、中旬には北日本を中心に寒気が入ったことから、北海道及び東北では葉いもちの発生が多い地域がある。
このため、ほ場での発生動向には引き続き注意が必要で、特に水面施用剤を施用したほ場ではその効果が切れる時期にも当たるので、上位葉に病斑が発生している場合には早急に防除するなど迅速な対応が必要。
紋枯病の発生は、梅雨明け後高温が続いていることから東北、東海、近畿、中国、九州の一部で「やや多い」と予想される。これらの地域では昨年多発した地域が多く、伝染源の密度が高くなっているため、増殖に好適な高温多湿条件が続いた場合には、止葉を含めた上位葉まで病斑が進展する。このため、ほ場での発生動向には十分注意し、穂ばらみ後期に発病が多い場合には、薬剤防除等迅速な対応を。
セジロウンカの飛来量は中国、四国の一部地域で「やや多い」となっている。四国の一部地域では発生面積が広く、今後の天候次第では発生が「多い」と予想されることから、多飛来を確認した地域では今後の発生に注意を。
斑点米カメムシ類の発生は、各地域で「多い」から「やや多い」と予想される。今後、梅雨明けによる活動の活発化に伴い、水田内への侵入が増加するので、本田での発生動向に注意し、薬剤防除の基本である穂ぞろい期の防除を確実に実施するとともに、幼虫の発生が認められる場合には追加散布も検討することが必要。なお、薬剤防除は広域で実施すると効果が高いので、各地域の関係機関と連携を図り組織的な取り組みを。
2、その他(警報、注意報)
前回(平成13年7月5日)以降、各都道府県が発表している警報、注意報及び特殊報は次のとおり。これら発生予察情報の詳細は「植物防疫情報総合ネットワーク(JPP−NET)」でも提供している。
★警報
〇山形県−作物名・水稲、病害虫名・斑点カメムシ類(発表年月日・平成13年7月19日)
〇島根県−水稲、斑点カメムシ類(7月24日)
〇石川県、水稲、斑点カメムシ類(同)
〇富山県、水稲、斑点カメムシ類(同)
★注意報
次の注意報が7月5日から同25日までに出された。
〇水稲への斑点米カメムシ類の注意報が、山形県、富山県、福井県、宮城県、石川県、千葉県、愛知県、茨城県、岡山県、滋賀県、兵庫県、福島県、秋田県、香川県、愛媛県(早期・早植え)、山口県、徳島県、鳥取県、長野県、新潟県、青森県、京都府、栃木県へ(発表日付順)
〇水稲への紋枯病注意報が、宮城県へ
〇りんごへのりんご斑点落葉病注意報が、秋田県へ
〇水稲への葉いもち注意報が、長野県、秋田県、岐阜県(穂いもちも)、山形県へ
〇水稲への穂いもち注意報が、福井県、岩手県、北海道(いもち病)へ
〇りんごへの果樹カメムシ類注意報が、岩手県へ
〇りんご、ももへのクサギカメムシ注意報が、秋田県へ
〇なす、トマト、きくへのオオタバコガ注意報が、奈良県へ
〇特殊報−広島県、きゅうり・トマト・なす−トマトハモグリバエ
▽問い合わせ先−農水省生産局植物防疫課(担当−東・白石氏)
電話直通03−3501−3964