JACOM ---農業協同組合新聞/トップページへジャンプします

農政・農協ニュース

12年の稲作所得 4.1%減 ―― 価格低下の影響くっきり(8/7)
 農水省は8月7日、12年産の米の生産費調査(農家調査)を公表した。
 10a当たりの生産費(副産物価額差し引き)は、12万9029円で前年比2.3%減。支払利子・地代算入生産費は13万3727円で前年比2.3%減。これに自己資本利子、自作地地代を加えた生産費(全算入生産費)は16万1081円で前年比2.7%の減となった。
 これを60kg当たりでみると、10a当たり収量が539kgと前年にくらべて2.9%増加したことから、生産費(副産物価額差し引き)は1万4337円(前年比5.1%減)、支払い利子・地代算入生産費は1万4859円(同5.1%減)、全算入生産費は1万7898円(同5.5%減)となった。
 10a当たりの主要費目をみると、農機具費は作業受託の進展や規模拡大にともなうスケールメリットの発現で前年比3.3%減の2万7528円となったほか、肥料費は施肥量の減少、化成肥料、配合肥料の価格低下などによって前年比3.1%減の8074円、農業薬剤費は7514円でほぼ前年並み(0.3%増)となった。
また、全算入生産費を規模別にみると、「0.5ha未満層」を指数100とした場合、「0.5〜1ha層」85、「1〜1.5ha層」77、「1.5〜2ha層」70、「2〜3ha層」68、「3〜5ha層」62、「5〜10ha層」56、「10ha以上層」52と、作付け規模が拡大するにつれて低減している。

 一方、10a当たりの粗収益は自主流通米価格の低下で12万8637円と前年比2.6%減となった。所得は4万2915円で前年比4.1%の減。調査農家のうち、稲作経営安定対策に加入している農家について、補てん金を加えた10a当たりの粗収益は13万9441円で前年比0.7%減、所得は5万4352円で前年比1.1%増加した。

◆協業経営体では2割以上のコスト低下

 農水省は、協業経営体(2戸以上の世帯、世帯員が生産、販売、収支など一切の過程を共同で行い収益を分配している事業体)と受託組織を対象にした生産費調査も公表。それによると、協業経営体の10a当たりの全算入生産費は12万5347円で農家調査の全国平均にくらべ78%の水準。60kg当たりでは1万4507円で同81%の水準となっている。また、受託組織では、10a当たりの全算入生産費は11万5911円で農家調査の全国平均にくらべ72%の水準。60kg当たりでは1万3612円で同76%となった。


農業協同組合新聞(社団法人農協協会)
webmaster@jacom.or.jp