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農政・農協ニュース
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大企業がどっと参入 食品廃棄物リサイクル技術開発へ(8/15) |
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食品製造工場から出る廃棄物や家庭の生ゴミを再資源化する技術の開発に荏原製作所、三洋電機、日本鋼管などの大企業がクツワを並べて乗り出した。
中でもヤンマー農機やタクマなど5社は共同で、食品廃棄物から高付加価値の飼料をつくるなどの再資源化システム技術の開発を提案し、農水省が開発実施の助成をする。 このシステムは、食品工場や飲食店、家庭など発生源を問わずに様々な食品廃棄物を対象にすることをねらう。異物が混入していないものは飼料化し、混入しているものはエネルギー利用に向けて処理する。 具体的には、油分の多いものは脱油と乾燥処理をしたあと、また飼料として保存性が悪く栄養分が偏っている水分の多いものは水分と栄養分を調整したあと、発酵処理をするという。 異物が混じっているものはメタン発酵法でエネルギーを回収したあと、発酵液に含まれる窒素やアンモニアを藻類(ユーグレナ)に合成し、飼料と機能性成分を回収するという総合的なシステム技術を目ざす。 この提案は、(社)食品需給研究センターの「食品リサイクル技術開発事業」公募に応じて9日採択されたもので、提案企業とセンターが契約を結んで来年3月末までの予定で実施する。 荏原製作所は生ゴミを前処理せずに、酵素による糖化反応で、生分解性プラスチックの原料である糖に転化する技術開発を提案し、採択された。 また、日本鋼管など2社は含水率が高くて低カロリーな食品廃棄物を、低含水率で高カロリーな木質系廃棄物と混合して炭化する技術を開発。合わせて、その炭化物を製鉄所の高炉原料として活用する技術も開発して、トータルとして二酸化炭素の削減もねらう。 三洋電機は食品廃棄物の用途を判断する際に、安全面での確認が重要であることから、DNAの塩基配列を指標として、廃棄物の中の複数の細菌を同時に、しかも迅速に検出する技術の開発の提案が採択された。 なお食品廃棄物の年間総排出量は1940万トン。その90%以上は焼却と埋め立てで処分され、焼却ではダイオキシンなどの発生が問題となり、埋め立て地の不足も心配されている。 |