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農政・農協ニュース

最終確認を英国に依頼
−−飼料工場に緊急立ち入り検査も実施 (9/11)

 牛海綿状脳症(BSE、狂牛病)を疑う牛が確認された問題で、農水省は9月11日、第5回牛海綿状脳症に関する技術検討会(座長/小野寺節・東大教授)を開き、今回の症例が患畜かどうかの検討を行った結果、確定診断のため、当該牛の材料(ホルマリン漬けした延髄など)と国内の検査結果を、BSEの国際レファレンス研究所である英国獣医研究所に送付すべきであるとの結論を出した。これを受けて農水省は早急に英国に最終確認を依頼する。
 英国での検査結果が出るまでの期間は不明だが、これまでの例で初発国の場合優先的に検査され3日〜1カ月程度で結果が出ているという。
 また、同日開かれた第1回牛海綿状脳症防疫委員会では給餌飼料や当該牛の追跡調査など疫学調査の徹底や監視体制強化を助言した。

 BSEが疑われる牛は、千葉県白井市の農場で飼育されていたホルスタインの雌。5歳。8月6日に食肉処理場でと畜されたが、起立不能状態だったため延髄を採取し動物衛生研究所で検査。8月15日にはBSE陰性と判断されたが、その後、千葉県の顕微鏡による病理組織検査では脳に空胞が認められたことから、動衛研では、再度、最初の検査とは別の免疫組織化学的検査を実施したところ、9月10日に陽性反応が出た。

 農場ではホルスタインを計49頭を飼養。問題の牛は、北海道佐呂間町で平成8年に生まれ、10年4月、2歳のときに千葉県の農場に導入された。佐呂間町の農場は12年に廃業している。

 農家が給与していた配合飼料は全酪連鹿島飼料工場で製造されたもの。同工場では肉骨粉は一切使用していないという。農水省は全酪連に対し当該配合飼料の原料組成、過去5年間の製造量、出荷先を調査のうえ報告するよう求めている。

 また、農水省は今日(9月12日)から全国の牛用配合飼料の製造工場への緊急立ち入り検査を実施する。142工場が対象。25日までの予定で肉骨粉の購入状況、混入防止策の実施状況などを調べる。

 BSEに罹患した牛でも原因である異常プリオンは脳や延髄、眼などにのみ蓄積されるとされ、肉や乳は安全。農水省は風評被害を防ぐため、原因究明と正確な情報の徹底に務めている。また、白井市の農場では、残っている牛は隔離されているが、生乳は通常どおり搾乳され出荷されている。


農業協同組合新聞(社団法人農協協会)
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