JACOM ---農業協同組合新聞/トップページへジャンプします

農政・農協ニュース

景気底打ちは来年度半ば以降
農林中金総研が「経済見通し」(9/13)

 今年度の実質国内総生産(GDP)成長率は、上半期のマイナス0.9%に続き、下半期もマイナス0.4%となるが、来年度の半ば以降には景気が底を打つと想定した「経済見通し」を13日、農林中金総合研究所が発表した。
 これは11日現在までの情勢に基づいており、同日深夜(日本時間)に発生した米国の同時多発テロ事件によるマイナス要因は取り込まれていない。
 「見通し」は01年度の実質GDPを通期で1.0%のマイナス成長とした。
 この予想には、米国の下期成長率が設備投資や輸出の落ち込みから、上期に比べ鈍化するなどの要因を織り込んでいる。
 こうしたことからテロ事件によるマイナス要因は、米国の金融市場など各取引市場の再開や企業活動の立ち直りが順調であれば、日本のGDPマイナス幅見通しの修正にそれほど響いてこないのではないかと同総研調査第二部はみている。
 当面は▽マインドの悪化▽ドル安圧力▽原油価格の上昇、などが注目点になるだろうという。報復措置の規模が大きければ、旅行なども含めた消費マインドがなお冷え込むとのことだ。
 「見通し」は、米国経済はリストラなど雇用調整の進展によって低空飛行が続くとした。しかし、02年は設備投資が自律反転に向かうことなどから、下期には景気回復に向かうが、家計需要の弱さにより回復のテンポはごく緩やかなものにとどまると予想した。
 日本の場合も、02年度は通期でプラス成長となろうが、それは循環的な在庫調整の完了、世界景気の反転による輸出回復、設備投資の自律反転が回復要因であり、構造改革の進行による需要減退も続くことから回復感は乏しい。
 また構造調整圧力が高い中で、物価のマイナスが継続し、デフレ環境が引き続き色濃く残るとした。


農業協同組合新聞(社団法人農協協会)
webmaster@jacom.or.jp