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農政・農協ニュース

牛肉、牛乳などの安全性アピール
 JA全農が風評被害対策で (9/20)

 狂牛病騒ぎでJA全農に対しても、消費者や取引先から、牛肉や牛乳を「食べたり、飲んだりしても大丈夫か」などの問い合わせが続いている。このため全農は20日、風評被害が広がらないようにと「牛肉、牛乳、乳製品の安全性について」という報道機関向けの安全アピールを出した。
 これによると、「汚染牛の脳や脊髄などの特別な臓器を食べない限り(狂牛病は)人間に伝染せず、牛肉や牛乳・乳製品は感染牛であっても、食べても安全」という世界保健機構(WHO)と国際獣疫事務局(OIE)の発表を紹介。
 また、「様々な実験の結果から、反すう動物由来の肉骨粉などを豚や鶏などに与えても(狂牛病に)感染がないとされているので、私どもは豚肉、卵、鶏肉などについても安全」という考えを明らかにした。
 一方、国などに対しては早急に事態の打開を図る観点から、緊急対策を講じるよう要請したと報告。生産者団体としても、安全な畜産物の生産に取り組んでいくとの決意を示し、一層の理解を求めた。

◆学校給食の場重視を狂牛病対策で
 −−四ノ宮全農専務

 狂牛病をめぐる風評被害から、牛肉や牛乳の売れ行きがダウン、鶏肉や豚肉にも及び始めた。JA全農にも取引先や関連会社などからそうした不調の店頭情報が相次いでいる。
 風評被害の中には、市町村の教育委員会などが親たちの不安を受け、短絡的に肉や牛乳を学校給食から締め出すという問題がある。
 全農は20日、報道機関向けの「安全アピール」を出したが、四ノ宮孝義専務は記者の質問に答え、学校給食での過剰反応は「子どもちに誤った考え方を植えつけることになるから、ことは重大だ」と語った。
 「農水省と厚労省は緊急対策を実施しているが、もう一つ文部省の対応を望みたい」という。しかし文部省の腰は重いようで、四ノ宮専務の表情は冴えない。
 生産者団体が、いくら安全だといっても、利害関係があるから、消費者の信用は今一つ。やはり国や研究機関などが積極的に情報提供を強める必要がある。


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