農水省は27日、今年産水稲の作柄を指数103の「やや良」と発表した。3年連続の豊作予想だ。10アール当たり平均収量は532kgを見込んだ(9月15日現在)。これを受け、JA全中と全農は、豊作による生産オーバー数量を約10万トン(主食用など)と推計。これを「市場に出回らないようにする」と同日発表した。
配合飼料用に振り向けたり、青刈りで処理し、余剰米を市場には一切出さないようにして先行きの値崩れを防ぐ。都道府県別の処理数量配分は、農水省が10月15日現在で予測する収穫量にもとづいて決める。
農水省速報によると、作付面積は171万1000ヘクタール(青刈り面積を含む)で、平成12年産より5万7000ヘクタール減少した。生産調整面積を拡大し、麦や大豆への転作などをしたためで、率にして3%減となった。
緊急需給調整対策による特別調整水田での事前転作も、すでに豊作を見込んで予定以上に進んだ。これは作況指数100を超えた場合の対策だ。単収が増えても全国の総生産量と、計画数量の差は、余り大きくならない仕組みになっているという(農水省)。
今年産の生産数量ガイドラインは主食用などで870万トン(陸稲を含む)となっており、これらからJAグループは、生産オーバー数量を10万トン程度にとどまると推計した。
都道府県別の作柄概況は、「不良」は指数91の沖縄だけ。「平年並み」は青森(指数99)、北海道、群馬(以上100)岩手、秋田、埼玉、徳島(以上101)の7道県。あとは102以上で「やや良」だ。うち105は福島、新潟、長野、兵庫、鳥取の5県。
作況指数は10アール当たりの平年収量518kgを100として算出した。
なお、農水省の水稲作況委員会(研究機関代表や全農・全中役員らで構成)は▽東日本では今後、日照り不足などが登熟に影響するので注意する必要がある▽近畿以西では登熟期の高温が懸念される▽青刈り面積の正確な把握が必要などという意見を出した。