JAはだの(松下雅雄組合長)は、この8月1日に創立記念日(38周年)を迎えたが、これを記念し1789年に同市内・蓑毛で生まれ54歳のとき二宮尊徳を訪ね「開眼」、59歳で「下石田報徳社」(現浜松市内)を設立した、安居院庄七(あぐい・しょうしち)の隠れた「報徳運動」(協同組合思想)の業績を顕彰する小冊子をこのほど発行した。11月には記念歌碑も建立する。
明治維新5年前、75歳で世を去った安居院庄七の後半生の信条は、次の歌に込められている。
「乱杭の長し短し人こころ 七に三たし五に五たすの十」(記念碑予定歌)
言うまでもなく、この人間・生活観は、かの二宮尊徳翁が到達した「報徳精神」に準じたもので、庄七が、自らの人生後半において貫いたもの。「人のこころは、十全が一番いいが、世には七つのこころの人もいるし、また三の人もいる………だから互いに話し合って、助けあって十のものにすることが大事」という意味だ。
JAはだのは、「21世紀の幕開けに際し協同組合の原点に立ち返り……協同組合に関わる一人一人の個人の意識を高めること」と小冊子発刊の目的を話している。
11月の歌碑建立日には、記念モニュメント「大地の刻」(二紀会委員横山徹氏製作)も同時に設置される予定だ。