狂牛病の感染源とされる肉骨粉が4日から、輸入品と国産品を問わず、すべて流通ストップとなる。事実上の全面的な使用禁止だ。肉骨粉などを混ぜた配合飼料や肥料も出荷停止だ。
農水省の10月1日の発表によると、すべての国からの輸入を一時停止し、また国内でも肉骨粉と、それを使った飼料、肥料の製造と販売を一時停止するようメーカーなどに通知した。期間は4日から当分の間となる。法的には全面禁止できないため要請の形とした。
これまでは狂牛病が発生した欧州連合(EU)からの輸入はやめていたが、発生の少ない国からは加熱処理した製品の輸入を続けていた。また鶏や豚の肉骨粉は認めていたが、これらも引っくるめて輸入、製造、出荷を全面停止する。
鶏や豚に対しては、反すう動物(牛、羊)の肉骨粉を与えても大丈夫だが、間違って牛に与えたりする誤用や流用を防ぐため、飼料と肥料になる可能性のあるものすべてを安全網にかける措置で感染を防ぐ。
また緊急調査では一部の農家が肉骨粉を牛に与えていたことがわかり、国民の不信感が強いため、これを解消して鶏、豚を含めた食肉の消費を確保するねらいがある。すでに生産現場や配合飼料メーカー、流通など各方面から一時停止を求める声が上がっていた。
停止の対象は、肉骨粉、肉粉、臓器粉、骨粉、血粉などの血液製品、加水分解たん白、その他。
と畜場が廃棄する解体後の牛の骨など年間約160万トンから、肉骨粉約40万トンが製造されて、配合飼料に1〜3%の割合で混ぜられ、循環している。
製造停止となれば、廃棄物の処理が問題となるため引き続き、残さは肉骨粉に製造したあと焼却する。在庫品も輸入、国産を含めて焼却する方針だ。すでに農家などに出回っている肉骨粉の回収はしない。
肉骨粉メーカー(レンダリング工場)は販売しない製品を作ることになるが、そのコストは、国の半額助成を検討中だ。またリサイクルができない分の負担が農家にはね返らないようにする。これらは補正予算に盛り込む段取りだ。
肉骨粉のたん白に代わる配合飼料の成分としては、大豆ミールや、ヒスタミン酸、メチオニンなどがあるという(農水省生産局畜産部飼料課)。
今回の緊急措置は一時的だが、解除時期は10月第1週に立ち上げる予定の狂牛病(BSE)対策研究会(仮称)で検討する。