農水省は10月3日、米国とカナダからくる生きた鹿と、鹿肉などの輸入を一時停止すると発表し、同日付けで関係機関に連絡した。
これは、シカ科の動物の海綿状脳症(狂牛病)である慢性消耗性疾患が米国で増加しているためだ。このため米国の農務省は、鹿の慢性消耗性疾患に対するサーベーランス(監視)を強化すると発表した。
この病気の発生は、米国とカナダで1967年以降に報告されており、最近は米国での発生が目立つ。
これを受けて、日本への侵入防止に万全を期するため、停止措置をとった。狂牛病対応で厳しい批判にさらされているため、他国に先がけて、いち早くガードを固めたかたちだ。
また併せて、過去に北米から輸入した鹿を飼養している農場を立ち入り検査するようにとの連絡も都道府県あてに出した。
なお、米国からは平成10年、またカナダからは同3年を最後に、それ以後は生きた鹿の輸入実績はないという(農水省生産局畜産部衛生課)。