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農政・農協ニュース

検査方法に変化も
農水省が狂牛病の監視体制を強化 (10/4)

 農水省は今年度から、国と都道府県が一体となって狂牛病(BSE)を監視するBSEサーベーランス事業を強化していた。しかし現実には、焼却すべき牛が肉骨粉にされてしまった。そこには、当初の検査結果が陰性と出て、対応が甘かったという発端の事情もからむ。このため狂牛病の検査方法にも変化が出ている。

 サーベーランス事業によると、農水省の動物衛生研究所(茨城県つくば市)が都道府県の家畜保健衛生所に技術的な助言をし、最終(確定)診断をするという監視体制をとっている。
 今回の発端では、千葉県が一般的な病気とみた牛の部位を動衛研に送り、同所でも狂牛病疑惑はシロと診断した。原因である異常プリオンというたんぱく質が見つからなかったためだ。ところがサーベーランス事業では、県側も病理組織学の検査をする体制になっている。その検査で疑惑が深まったため、改めて別の部位を動衛研に送り、結局はクロと断定された。
 双方の検査結果を総合して動衛研が確定診断を下すという経過は、すべて監視マニュアル通りだった。このため動衛研は「監視事業による診断体制が有効に機能した」という。
 動衛研の検査は2回目が脳の延髄のカンヌキという部分。1回目は、そこに隣接する部分だった。また最初の診断方法は、ウエスタンブロット法(商品名はプリオニクス)による。
 問題は、1回目のプリオニクス検査で、なぜ陰性と出たのかだ。検査法を開発した会社も、動衛研も「わからない」という。
 このため動衛研は今後、エライザ法という診断法を広くとりいれる。いくつかの診断法があるが、エライザ法は、プリオニクスよりぐんと感度が高いという。
 10月2日現在、狂牛病の疑いのある「疑似患畜」に指定されていた北海道、栃木など6道県の計15頭や起立不能の3頭についてもエライザ法で検査した。なお動衛研は、独立行政法人・農業技術研究機構の研究部門だ。狂牛病の検査機関は他に北海道の帯広畜産大学研究室などがある。






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