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「安全宣言」する坂口労相(右)と武部農水相 |
政府は18日午前、参議院議員食堂において、武部農水省大臣と坂口厚労省大臣による共同記者会見を開き、9月10日のBSE陽性牛発見以来、課題となっていた全頭検査による新しい「安全な畜産物供給」体制がスタートしたことを発表した。
両大臣発表で強調されたのは「牛肉や牛乳・乳製品はもともと安全」だということ。OIE・国際獣疫事務局基準や英国でのマウスへの接種試験の結果などを強調した。
また、農水・厚労両省の協力による、「すべての食肉処理牛についてBSE迅速検査を実施」するため、今後は「安全な牛肉等だけが、と畜場から出回り、それ以外のものは一切出回らない」システムを確立したこと。飼料原料としても出回らないシステムとなった。
第3は、今後万一BSE陽性牛が発見された場合でも「新しい検査システムによって完全にチェックされすべて焼却処分」されること。
そして「新検査システムのエライザ法は、BSEでない場合でも陽性反応が出やすい特性」のため、この場合はさらに精度の高い確認(二次)検査が実施され、BSEと確定した場合はすべて公表されること、ことにも国民の理解を求めた。
◆政府発表「BSE安全宣言」をうけ
JA全中原田会長が談話
JA全中は10月18日、同日政府が発表した国産牛肉の「安全宣言」をうけて、次のような談話を発表した。
「BSE全頭検査によって本日以後BSE検査を通った安全な牛肉等だけが出荷されるシステムが確立された。今回のBSE検査により、牛肉等の安全性を世界で最も厳しく確認する仕組みができたことを、国民の皆さまにはぜひともご理解いただきたい。
畜産生産者は、今回のBSE問題の発生により、出荷の停止や価格暴落など経営の危機に直面し、経営の継続が困難な状況にあるが、本日からの全頭検査を契機として、この困難を乗り越える決意です。
わたしたちは、国民の皆さまが安心して国産の牛肉等を食べていただけるよう一層の努力を続ける所存です」