農林中金は11月7日の臨時総代会で、経営管理委員17人を選任し、委員会では会長にJA全中の原田睦民会長を選んだ。また委員会は理事14人を選任し、臨時総代会で承認した。代表理事2人には上野博史理事長と石原弘久副理事長を選んだ。農林中央金庫法の改正にともなう人事として経営管理委員、理事、代表理事ともに全員が新任の形となって新体制を整えた。
改正法の施行が来年1月1日であるため就任も同日付けとなる。しかし来月には「JAバンク」づくりの基本方針決定などが迫っているという日程上、経営管理委員会は委員の就任前に起動した形になった。
同委員会は、農林中金の会員(旧法では出資者)である農林漁業団体の意思反映と経営監視のために設けられた制度で、理事を選任する機関だが、理事の解任は総代会が行う。
また、この日は委員会の下に「JAバンク中央本部」を設置し、本部委員21人を委嘱した。委員長は社全国信連協会の野田益嗣会長。同本部は、JAバンク基本方針の制定と見直しなどを審議する。
経営委員会の設置にともない、組織代表の非常勤理事6人は経営管理委員となり、理事会定数は現在の20人から14人に減った。そして理事会は学経常勤理事だけで構成されることになり、専門的な業務執行体制となる。
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農林中金は11月7日臨時総代会を開催し、「改正金庫法」に基づき、2名の代表理事(理事長・上野博史農林中金理事長)と17名の経営管理委員(会長・原田睦民JA全中会長)を選出したが、経営管理委員会の下に新しく設置された「JAバンク中央本部委員」21名(委員長・野田益嗣全国信連協会長、略歴は別掲)は以下の通り。
安藤昌明(神奈川県JA湘南組合長)/鰐川喜和門(長野県JAあずみ理事長)/石飛博(島根県JAいずも組合長)/高田昌彦(JAならけん経営管理委員会会長)/一色政光(JA愛媛県信連会長)/福井正志(JA福岡県信連会長)/濱田幸治(JA熊本県信連会長)/吉原弘行(JA北海道信連会長)/瀬川理右エ門(JA岩手県信連経営管理委員会会長)/石村義光(JA福島県信連経営管理委員会会長)/前島雅光(JA茨城県信連会長)/池端昭夫(JA福井県信連経営管理委員会会長)/近藤俊雄(JA愛知県信連会長)/西村保(JA滋賀県信連会長)/尾形弘之(JA兵庫県信連会長)/原田睦民(JA全中会長)/大池裕(JA全農会長)/新井昌一(JA共済連会長)/野田益嗣(社・全国信連協会長)/上野博史(農林中金理事長)/石原弘久(同副理事長)
なお、今回の「JAバンク中央本部」は「JAバンク県本部」として県段階の信連にも設置されるが、その中心任務は「信頼性の確保」と「高度な金融サービスの提供」を2本柱とする「JAバンクシステム」の適切かつ確実な運営のためのいわば「指令塔」的な役割を担うものだ。
【野田益嗣氏 略歴】
昭和26年静岡県立磐田農高を卒業し静岡県信連に入会。平成2年清水市農協常務理事、同8年同JA組合長。同11年JA静岡県信連会長を経て現在に至る。農林中金審議委員。