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農政・農協ニュース

全国養蚕振興研修会開催さる
シンポジウム形式では初の試み
−−全国蚕業技術員養成研修基金協会 (11/26〜27)

主催者を代表して挨拶する杉谷信一理事長

 『全国養蚕振興研修会』(主催:(財)全国蚕業技術員養成研修基金協会・杉谷信一理事長(全農常務理事))が11月26日・27日の2日間、東京都千代田区のルポール麹町において開催された。延べ参加者数は460名。昨年までは、養蚕農家及び推進員を対象に独自に開催していたが、両者が一体となり、かつシンポジウム形式では初の試み。
 本シンポジウムは、繭の生産量及び生産農家数の減少に歯止めを掛け、養蚕業の活性化を図ることを目的としたもの。昨年半ばより蚕糸関係中央団体、国が中心となり蚕糸業再生検討会が始められ、全体の「意識統一」を図るために今回のシンポジウムの開催となった。
 席上、杉谷理事長は、蚕糸業は日本経済の財政基盤を支えてきた重要な産業であり、かつ日本の中山間地における大切な特産作物だとするなか、「蚕糸業界は養蚕従事者の高齢化等構造的な課題を抱えており、毎年2桁の減産を余儀なくされている。行政指導のもとに蚕糸業再生に向け業界が一つとなっていくことが重要」、と力強く語った。
来賓として農林水産省大臣官房・
坂野雅俊審議官もかけつけた
 
 また、来賓として農林水産省大臣官房から坂野雅俊審議官、日本生糸販売農業協同組合連合会から茂木雅雄代表理事会長が駆けつけ、「蚕糸業界の更なる発展及び活性化、シンポジウムの成功を」、とそれぞれ挨拶している。
 シンポジウムの初日は、農畜産業振興事業団の山本徹理事長をコーディネーターに「来年の繭生産に向けての諸課題」、2日目は蚕糸科学研究所の勝野盛夫所長をコーディネーターに「顧客視点に基づく商品政策」の、それぞれのテーマで熱のこもった議論が展開された。
 重ねて、蚕糸業は日本経済の財政基盤を支えてきた重要な産業だ。しかしながら、棒グラフに示すとおり養蚕戸数、繭生産数量とも激減していることは否めない事実。また、国産品25%、輸入品75%といった状況もある。この中で、本シンポジウムでは「養蚕業の活性化に向けた意識統一」を導きだし、成功をおさめたとの印象だ。


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