(財)全国農業協同組合役職員共済会は12月4日、東京・大手町のJAビル第一会議室で理事会・評議員会を開催した。平成13年度上期仮決算を審議し、「計画どおりの上期仮決算」として承認。また、資金運用委員会規程の一部改正(委員の定数を増加)を行うとともに、斎藤正義評議員の辞任に伴い新たに石井素行(もとゆき・JA千葉中央会会長)氏を評議員に選任した。上期仮決算の概要は次のとおり。
1.平成13年度上期仮決算
(1) 収支差額(残余金)13.5億円を計上
(2) 有利な「給付還元利率」を実現―上期給付還元率は、
(a)「制度」1.65%(特別法人1.173%および手数料は不要)
(b)「施設」1.9%を実現(注)下期もそれぞれ同利率を適用
(3) 財務内容
(a)クーポン収入主体の安定的な資産構成(国内債比率76.8%)
(b)投資適格銘柄で運用(有価証券・金銭信託の91%はA格以上)
(c)「責任準備金」は100%積み立てを堅持
(d)金利上昇への対策としてラダー型資産構成を一部修正
(e)事業債・外債投資およびMMF等の短期公社債投信の活用等による一層の効率運用を実施
(4) 事業は順調な伸び
(a)総資産4,498億円は前年同期比100億円(2.3%)の増加
(b)JAの加入率79.6%は前年同期比2.6ポイントの増加
(c)加入口数2,192万戸は前年同期比72万口(3.4%)の増加(注)加入口数に100円(1口当たり)を乗じた金額が毎月の掛金収入
(d)全JAの退職金要支給額に占める割合29.1%は、前年同期比0.9ポイントの増加
(e)JAの制度・施設100%活用県は8県(宮城、秋田、福島、栃木、群馬、新潟、高知、大分)
(f)平成10年度からの「退職給与引当金」累積限度額引き下げに伴うJAの増税額243億円に対して71億円の節税に貢献。
2.今後の課題と対応
(1) 契約の拡大促進―全JAの退職金要支給額の3分の1を確保する「JA退職金5000億円積立運動」4年度目の展開(13年度末総資産4,766億円)
(2)「財務体質の強化と運用の効率化への基盤整備計画」の実施−−「資産価格変動準備金積立5ケ年計画」4年度目の着実な実行。平成13年度末資産価格変動準備金額189億円、積立率4.37%(12年度末対比7億円、0.09ポイントアップ)目標