JA全農は国産の農畜産物のPRパンフレット「エプロン」を発行、スーパーなどの店頭に無料で置き、毎号20万部がはけるという好評ぶりだが、12月号は「牛肉特集号」として、いつもの2倍の40万部を配置した。BSE(牛海綿状脳症)発生から落ち込んでいる牛肉消費の回復をはかるもので、各量販店の牛肉販売促進活動に呼応するものだ。
内容は「牛肉は大丈夫」がテーマで、牛海綿状脳症(BSE)の権威である小野寺節・東大教授と主婦たちの座談会や、疑問に答えるQ&A、そして牛肉料理のレシピなど。
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一方、JA全農は協同会社の(株)科学飼料研究所が製造した代用乳の安全性についてもPRを展開中だ。
子牛には母乳でなく代用乳を一定期間飲ませるが、3頭のBSEの牛が共通して科飼研製造の代用乳を与えられていたことから、これに発生原因の疑いが濃いとマスコミが一斉に報じたためだ。
全農や経済連は、疑いを否定するPRを強め「JAグループが供給する牛用代用乳は、BSE防疫上安全です」などと養牛生産者に訴えている。
これによると、科飼研で製造した代用乳の原料に使った血しょうたん白は、牛ではなく、豚のもので、輸入先である米国の農務省の証明書つきを購入条件とし国の動物検疫所の許可を得て使用してきたという。
また農水省は10月1日に血しょうたん白の使用をいったん禁止したが、これは安全性の否定ではなく、安全性確認のための措置であると説明している。
さらに代用乳には、過去一度も肉骨粉を使ったことがなく、「くみあい養牛用配合飼料」でも平成3年以降は、肉骨粉を一切使用していないとしている。