JA全中の原田睦民会長は今年8月10日の任期満了をもって退任し、次期会長は後進に譲ると、1月17日の理事会で表明した。
原田会長は平成8年7月に就任し、新たな基本法の制定や、JA改革、WTO農業交渉などに取り組んできたが「大筋ではあっても一定の道筋をつけることができた」として、2期6年間の任期を満了する今夏限りで退任する。77歳。
全中会長は全国6ブロックごとに候補者を出し合ったあと、役員推薦会議の人選を経て、総会で選任していた。しかし今年からは、代議員の意向をもっと反映できる選出方法に改めるため昨年から検討中だ。
このため、原田会長は新しい選出方法を早く確立できるようにと退任表明の時期を早めた。健康上の問題はないという。
理事会では「役員推薦会議に21世紀のJA運動を担うのにふさわしいリーダーシップを発揮できる会長の選出方法について検討をお願いしている」と表明。さらに残る任期の半年間も全力で会長職と取り組んでいくと述べた。
全中会長は初代だけが、3期9年間を務めたが、その後は任期中の死亡を除けば歴代が2期6年間で退任している。
役員推薦会議は1月末ごろに新しい会長選出方式を内定し、2月の理事会で協議する予定。
原田会長は大正13年6月広島県生まれ。広島市農協理事、広島県議会議員などを経て、広島県農業協同組合中央会会長。
◆原田睦民全中会長の退任表明談話
JA全中の原田睦民会長は1月18日、前日に表明した今期限りでの退任についての談話を発表した。
「平成8年7月に就任し、新たな基本法の制定・推進、新たな基本法を踏まえた事業・組織の改革、WTO農業交渉等さまざまな重要かつ困難な課題に取り組んできた。
今後とも重要な課題が続くなかで、全国の農協組織の中心であるJA全中が、農家の視点にたって、強力なリーダーシップの発揮のもとで、JA改革を推進していくことが極めて重要である。
多くの課題が残されているが、進むべき方向は、この5年半の間に両副会長をはじめ役職員・全国機関会長等関係者のご支援、ご協力で、大筋であっても一定の筋道をつけることができた。
かねてから、私からJA全中の役員推薦会議に21世紀のJA運動を担うのにふさわしいリーダーシップを発揮できるJA全中会長の選出方法のあり方について検討をお願いしてきた。
新たな選出方法の確立をふまえ、私自身は、今期の任期満了をもって退任することとした。
余すところ任期は半年ある。与えられた職責を最後まで全力で取り組んでまいりたいと考えますので、皆さん方の一層のご支援をお願いしたい」(全文)