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農政・農協ニュース

新たな「JAバンクシステム」元年がスタート (1/17〜18)

 本年4月からの「ペイオフ解禁」など金融機関を取り巻く劇的変化と金融大競争時代の到来のなかで、新たな「JAバンクシステム」の元年がスタートした。
 こうしたなか1月17〜18日の両日、農林中央金庫本店(東京有楽町・DNタワー)において、「JAバンクフォーラム2002」が開催された。
 このフォーラムは、昨年12月7日の農林中金臨時総代会で決定された「JAバンク基本方針」に基づいて「JAバンクシステム」の事業推進に取り組む全国の実務者が、一堂に会したもの。
 フォーラムの冒頭、「JAバンク会員」(JA・信連・農林中金)のリーダー役となる農林中金の上野博史理事長があいさつ。
 「4月からのペイオフ解禁は小泉首相も先送りはない、と表明しているように、本年はいよいよ、JAグループの実質的な『1つの金融機関』としてのJAバンクシステムの事業推進による、輝かしいJAバンクの実現が求められる年であります。本日を、そのための記念すべきスタートダッシュの機にしていただきたい」と参加者を激励した。
 続いて、会議両日の基調報告ともなる「系統信用事業における取組状況について」として、以下の5本の報告がなされた。

 (1)JA・信連・農林中金の一体的事業運営について
 (2)JAバンクのペイオフ対策について
 (3)新たな「JAバンクシステム」に向けた広報・PRについて
 (4)系統版CRMの取組みについて
 (5)相談対応システム「JAバンク掛け橋」について


 その要旨は次の通り。
 JAバンク会員の「一体的事業運営」は、組合員・利用者に一層信頼され利用される真に強いJAバンクを構築するためのJAバンクシステム。他業態(大手バンク・地方バンク信金など)やEUでの動向にも触れながら、「5大作戦」の実践により事業目標の早期達成をめざす。その基本として自己責任経営の大切さが強調された。
 ペイオフ対策については、「不安な声」に対して「JAバンクは大丈夫。これまでも、これからも大丈夫」と声を大にする大切さが報告され、また、新たに進化するJAバンク・セーフティーネット(JAバンク支援基金を含む破綻未然防止システムと貯金保険制度からなる)の二重三重の安心度を利用者にアピールする必要性が報告された。
 さらに報告では、「力づくで」昨年立ち上げ、本年スタートした「JAバンクシステム」について、多面的なPR活動の展開について説明された。(JAバンク会員の会員マーク。月刊誌「組合金融推進情報」の「JAバンク情報・JAバンク」への名称変更。2月20日の「JAバンク全国大会」の開催など)
 (4)、(5)はスクリーンを活用したきめ細かなリポートがなされ、組合員・利用者にいかに良質で高度な金融サービスを一体的に提供するかが強調された。
 「破綻未然防止システム」と「一体的事業推進」の2大柱によって成り立つ「JAバンクシステム」。すでに動きだしている「JAバンク中央本部」の適切な運営。それと連携した「JAバンク県本部」の積極的取組みが期待されている。


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