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農政・農協ニュース

農業水路に希少種が生息
「田んぼの生きもの調査」 (1/15)

 農水省と環境省の連携で実施された「田んぼの生きもの調査」の結果が1月15日に公表された。
 この調査は魚類を対象に、昨年8月から10月にかけて全国211地区1098地点の水田、農業水路、ため池などで生物調査を行ったもの。調査地点の80%は農業水路だった。
 調査の結果、わが国に生息する淡水魚300種の24%にあたる72種が確認され、農業水路やため池などが魚類の生息の場所として大きな役割を果たしていることが示された。
 また、確認された淡水魚のなかには、メダカ、ホトケドジョウ、タナゴなどの希少種が10種類含まれていた。
 ちなみにホトケドジョウは、環境省のレッドリストで、近い将来、野生での絶滅の危険性が高い「絶滅危惧種TB類」で、メダカは、近い将来「絶命危惧種T類」ランクに移行することが確実と考えられる「絶滅危惧類U種」となっている。
 メダカは37道府県74地区(35%)で確認された。また、環境省の自然環境保全基礎調査でメダカは全国で691メッシュ(1メッシュは10km四方単位)で確認されているが、今回の調査で新たに45メッシュで生息が確認された。
 流速が毎秒20cm以下と緩やかで、土水路や泥の堆積したコンクリート水路、落差溝や堰など移動を妨げるものがない所、水生生物のあるところなどがメダカの生息環境の傾向だという。
 同省は、来年度以降も環境省との連携で継続的に調査を実施する。また、調査結果は、環境との調和に配慮した農業農村整備事業の技術指針の作成や工法の開発に役立てるという。


農業協同組合新聞(社団法人農協協会)
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