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農政・農協ニュース |
経営政策などにも幅広く目配りして |
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コメの生産調整の新しい仕組みを検討している食糧庁の「生産調整に関する研究会」企画部会は2月14日の第3回会合で、論点の枠組みを議論した結果、需給調整の1手法である生産調整方式は、ほかの様々な施策と結びついているとし、このため経営政策など周辺問題にも幅広く目配りをして今後さらに議論を深めていくことで一致した。
農水省は、減反面積の拡大でコメ余りを防ぐという今の間接的なネガ方式をやめ、直接的に生産数量を減らすポジ方式に改める考えだが、会合のあと、生源寺真一・部会長(東大大学院教授)は、例えば数量と面積と単収の関係を誰が、どう決めるのかなどといった「技術的検討だけでは問題は解けない」と語った。 また減反拡大にミニマムアクセス米(MA米)がどう影響しているかについても検討する。コメが余っているのに外国から輸入しているという仕組みは新たな生産調整方式にとって避けて通れない問題だ。 こうした部会の見解を20日の全体研究会に報告。3月には全国3ヵ所で現地検討会を開く。そこでは、さらに新たな論点が出るものと予想される。 この日の部会には食糧庁が過剰米処理などに必要な費用負担(米需給調整・需要拡大基金)の県別拠出状況(平成12年度)という資料を提出し、各委員の注目を集めた。 これによると基金の拠出率(水稲作付面積ベース)は全国平均(沖縄県を除く46都道府県)で59%だが、最高の県は90%に達している。しかし最低県はわずか1%と、その格差は大きい。また最低県では、米価低落分を補てんする稲作経営安定対策の契約率をみてもゼロ(生産数量ベース)となっており、集荷率も7%で、もちろん生産調整は目標に達していない。 委員たちは「都道府県名を明らかにするなどデータをもっと豊富にすべきだ」との要求を出し、大きく開いている県別格差の要因検討を深めることにした。 一方、12年度には、転作の小麦と大豆に対する助成金が増え、合計所得はコメを作るよりも、ぐんと多くなった。にもかかわらず生産調整への不公平感が募り、また麦・大豆の生産もそれほど伸びないのはなぜかといった問題点なども浮かび上がった。 この日は各委員が論点や検討の進め方で意見を出しJA全中の山田俊男専務は ▽これまでの取り組みに対する反省や評価を踏まえ、 新しい計画生産対策を白紙に描くこと ▽生産目標の売買など、それぞれが選択できる調整の仕組み ▽計画生産を誘導できるメリット対策 ▽公平な負担による過剰米処理の仕組み、 などを論点として提起した。 なお現地検討会の日程は ▽3月2日熊本市 ▽ 12日仙台市 ▽ 16日金沢市 で、意見表明者は10人程度。 |