経済・共済事業に比べ系統信用事業の統合は遅れていたが、ここにきて宮城、栃木の両県信連と農林中金の統合が実現する予定となった。農林中金の経営管理委員会(委員長、原田睦民JA全中会長)は3月19日、両信連との間で統合委員会を設置し、統合を進めることについて基本合意書を締結することを決めた。
5月に一部事業譲渡契約を結び、6月の通常総代会で承認を得たあと、統合第1号の宮城県信連とは10月15日に、また第2号の栃木県信連とは来年5月6日に統合の予定だ。
このほか秋田、山形、富山、岡山、長崎の5県信連が事実上、統合を決めている。農林中金は平成15年度中までに5県との統合実現をめざして精力的に協議を進める方針だ。
今年1月のJAバンク法施行に伴い農林中金はJAバンク中央本部を設置し、系統信用事業の一体的運営を目的としたJAバンクシステムがスタートした。
しかしペイオフ時代を迎えて、銀行などとの競争に勝ち抜いていくには事業と組織の2段化によるJAバンクシステムのより円滑な運営が求められるとして、農林中金は各都道府県信連との早期統合に向けて積極的に協議を進めている。