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「投げだすわけにはいかない」と強調。
2日、農水省内で。
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BSE問題調査検討委員会の報告を受けて武部農相は4月2日夕、記者会見した。
報告書の提出を受けて武部農相と坂口厚労相は小泉首相に報告。その席で、首相から(1)「消費者保護をより一層重視する観点」から食品安全性の確保に関する法制度の見直しなども含めて万全の対応をすること、(2)官房長官、農水相、厚労相などによる関係閣僚会議を立ち上げ新たな行政組織のあり方について検討し、夏頃までに具体案を作成して来年度予算に反映させること、を指示されたと紹介した。そのうえで、「農林水産政策の軸足を消費者サイドに大きく移し、政策の大胆な見直し、改革を積極的に行っていく」意向を示した。
自らの進退について問われると「問題解決の途上にあるという認識のもと最後まで投げ出すわけにはいかない。いろいろな声を真摯に受け止め信頼回復に全力をつくしていきたい」「人が代わることで解決するとは思えない」などと語った。
再三、強調したのが消費者保護に軸足を置いた農政への転換。「自給率を向上させるために基本計画を作った。しかし、消費者が求めるものをつくらなければ自給率は上がらない」、「(食品の安全確保は)やはり予防原則。リスク分析、リスク管理、リスクコミュニケーションをどのように組み合わせていくか(が課題)」などと語ったうえで、消費者サイドに政策の視点を転換することについて「言うは易し行うは難しだが、大事なことは大臣のリーダーシップだ」と言い切った。
また、報告書では農林関係議員が政策決定の不透明さをもたらしたと指摘されていることに関連し、今後は「貴重な意見は聞くが理不尽な意見は受けいれない」と語った。
農水省は、調査検討委員会の報告を受け、同日懲戒処分などを決定した。渡辺次官、竹中審議官ら12人に減給処分、2人に訓告。「農水省の姿勢を正すという意味」と武部農相は語り、農相自身と遠藤副大臣、熊澤前次官、永村前畜産部長が給与等の自主返納をする。