JA共済連は、13年度のJA共済推進実績(速報)を4月12日に発表した。
これによると、長期共済の新契約実績(保障金額)は、29兆9613億円と4年連続して目標を達成した。12年度が史上最高の31兆7969億円だったため、前年対比では94.2%となっているが、下図のように10年度と同等の実績をあげ、ほぼ30兆円の長期共済新契約を確保したことは、厳しい環境下にある保険共済業界の現状ではかなり健闘したといえる。
その内容をみると、生命総合共済が前年度より1兆円強伸びて15兆7449億円(前年対比107.1%)となり、11年度、12年度と2年連続した減少に歯止めがかかったといえる。
一方、建物更生正共済は、11年4月に発売され、満期共済金額に対して10倍を保障する低廉な掛金の保障プランとして好評だった「建更10型」の需要が一巡したこともあって、前年対比83.1%の14兆2163億円となったが、発売初年度の11年度実績水準を確保していることは注目される。
長期共済新契約における生命総合共済と建更共済の構成比は、12年度に46.2対53.8と建更の比率が高くなったが、13年度は再び生命総合共済の比率が高くなり52.6対47.4と、ほぼ11年度と同じ構成比となった。
11年度、12年度は、生命総合共済が連続して減少したにもかかわらず、建更共済が「建更10型」を中心に大きく伸展し、2年連続して30兆円台の実績をあげたように「生損併営」の有利さをいかんなく発揮してきているといえる。
また、年金共済も昨年度に続いて目標を達成し、1764億円(年金額)の実績をあげた(前年比98.9%)。
短期共済では、自動車共済が、件数851万件(前年比99.9%)・掛金3274億円(同100.2%)。自賠責共済が342万台(同99.8%)・掛金737億円(同101.0%)と、昨年と同水準の実績をあげた。
JA共済では4月1日から一定金額以上の契約者に対して新規加入の共済掛金を割引など新たなサービスを提供する新制度「JA共済しあわせ夢くらぶ」を創設。さらに、最近高まっている生存保障・医療保障ニーズにこたえるために、がん保障に特化した「がん共済」を新設するなど、価格競争・サービス競争が激化し、加速度的に厳しくなる事業環境に積極的に挑戦していくことにしている。