輸入野菜、とくに中国野菜の残留農薬が農民連の分析で問題化したが、農水省の検査でも中国産のサヤエンドウから基準値の3倍以上もの殺虫剤「シペルメトリン」を検出したと同省は12日発表した。同省からの連絡で厚生労働省は通関の検査を強化した。
このサヤエンドウは店頭の商品を買い上げた中から見つかったため、それ以前の水ぎわの検査体制が問われることになる。農水省は今年初め、中国側の農産物輸出関係機関から聞き取り調査し、適正なチェックが行われているとの報告を受けているが、それも信用できないことになった。
最近、ネギなどの生鮮野菜輸入が急増。このため同省は緊急に昨年末から今年3月まで全国に出回っている市販品を買い上げ、農林水産消費技術センター(独立行政法人)で中国・韓国・タイ産の10数品目を中心に分析した。
その結果、中国産サヤエンドウ1検体から残留農薬0.18ppm(基準値は0.05ppm)を検出。また日本では農薬登録されていない殺虫剤「メタミドホス」もサヤエンドウをはじめ中国産ネギとタイ産のオクラから検出した。
なお国産品についても農家が提供した秋冬野菜を分析したが、残留農薬基準値を超えた検体はなかった。