武部農相は諫早湾干拓と有明海再生問題で、4月15日、長崎県の金子知事と佐賀、福岡、熊本の3漁連会長らと会談した。
会談では金子知事が「工事のストップは遺憾。18年度の工事完成を願う。開門調査には大変な不安がある」と話し、一方、3漁連会長は、短期開門調査の実施を求めたうえ、干拓事業については「事業の見直し案にそって環境に配慮して事業を推進することを理解する」と述べた。こうした意見交換のあと、武部農相は「利害対立の激突ではなく知恵を出して解決したい」とし、短期開門調査実施に理解を求めるとともに18年度に工事を完了させる考えを表明し理解された。
16日の会見では開門調査開始の時期は明らかにせず、「早急に着手することで理解が得られるよう努力することがいちばん大事」と語った。農水省は、開門調査について、地元に不安や被害がもたらされることのないよう「すべての責任を負って実施する」としているが、排水門外側の小長井町漁協(新宮隆喜組合長)は反対を表明している。