農水省は4月17日、丸紅畜産(株)に対して、JAS法の生鮮食品品質表示違反で原因の徹底究明や適正表示の遵守などを求める「指示」を行った。
農水省は、同社仙台営業所に3月18日から4月2日まで立ち入り検査を実施。その結果、同営業所は、ブラジル産冷凍鶏肉を一旦、関連企業の(有)杉山商店に販売し、それを国産鶏肉と表示させて包装、さらに国産鶏肉と表示された箱に詰め替えさせて、買い戻すという手法で偽装を行っていたことが判明した。
平成11年から13年末までに113トンの輸入鶏肉が国産と偽装されていた。仙台営業所長と営業所社員が指示していた。農水省の調査に対し、所長は「量販店から国産鶏肉への強い要請があり欠品回避のための対応だった」と答えたという。
同日の「指示」では、仙台営業所だけではなく全社的に表示に関する責任の所在の明確化や、相互チェック体制の整備などを求めたほか、鶏肉以外についても適切な対策を講じるよう指示された。
同社の不正表示問題については、一部報道で仙台営業所以外でも行われていたことが指摘されており、現在、社内調査を実施している。