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農政・農協ニュース

特定JASに「生産履歴」の追加を検討
トレーサビリティシステムの一環−−農水省 (4/22)

 農水省は、4月11日に発表した「『食』と『農』の再生プラン」のなかで、食品から生産履歴情報などを追跡できるトレーサビリティシステムを15年度から導入するとしているが、その一環として特定JAS規格制度のなかに「生産履歴JAS」を追加する方向で検討する。
 JAS制度は、加工食品、林産物を中心に品質全般について一定の質を保証するものだが、特定JAS規格制度は、有機農産物などの特別な生産方法や特色ある原材料を使用した食品の統一的な表示内容基準として制定されたもの。
 平成7年に第一号として「熟成ハム」の規格が制定され、その後、「地鶏肉」、「有機農産物および有機農産物加工食品」の3分野(6品目9規格)で制定されている。農林水産大臣に認定された登録認定機関が、生産者や加工業者からの申請に基づき認定を行う仕組みだ。
 農水省としては、この特定JAS規格の仕組みを活用して、「生産履歴」のカテゴリーを追加する方針。
 生産者、製造業者などが生産履歴情報をしっかりと記録しているかどうかなどを第3者機関が認定することになる。
 ただ、実際の認定の対象となるのは、単に生産履歴が記録されていて情報が追跡可能であるという条件ではなく、抗生物質未使用、無農薬栽培といった付加価値が得られる生産方法に限って制度化されることになる見込みだ。
 トレーサビリティシステムの確立は、必ずしも農産物に付加価値をつける目的で必要とされているものではないが、特定JAS規格への追加で「プレミアムが得られるシステム」の面からも、トレーサビリティシステム構築への取り組みが広まることを狙う。
 農水省としては今年度中に案をまとめ、15年度の実施にこぎつけたい考え。まずは牛肉、野菜を対象に具体的な仕組みを検討していくという。22日に実施された改正JAS法への意見を求めた食品表示問題懇談会後の記者会見で小林裕幸品質課長が語った。


農業協同組合新聞(社団法人農協協会)
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