JA全農が4月25日決めた「全農グループの組織・事業の刷新対策」骨子案は、体質改善に向け、常勤役員と幹部職員の人事の大幅刷新を打ち出した。
また7月25日の通常総代会後に経営管理委員会を発足させるが、外部から専門家や消費者代表などを委員に登用するため検討を急ぐ。経営管理委員会の下には各種の委員会を設置する。さらに経営管理委員会と理事会、および監査委員と監事との連携方策を策定して、新たな執行体制の確立をはかる。
一方、複数の管理担当常勤役員を置くなど全会的なガバナンスを強化する。現在は常務5人が縦割りで各部門(現業)を担当しているが、刷新対策では財務などを含めた管理担当常務を置くことにする。
事業の総点検では(1)コンプライアンスの確保、(2)業務執行責任体制と、その機能(3)内部チェック責任体制とその機能、(4)各機関と協同会社の管理体制、などの状況を点検し、事業改善の具体化に着手する。
子会社管理では8月の専任部署設置に向け、5月1日に臨時機構を設けるとした(関連記事参照)。また子会社などの役員就任のあり方を抜本的に見直す。再編の課題では、グループ別再編・強化方策に加え、新たな再編・強化ガイドラインを設定して子会社を集約する。
さらに大きな子会社(資本金5億円以上、または負債200億円以上)から順次、社外の取締役と監査役の起用を検討する。とくに食品関連会社は早急な起用をはかる。
一方、機構改革では、表示を適正管理する部署を新設するため5月1日からはその準備室を置く。さらに消費者相談窓口に寄せられた意見や苦情などが経営管理委員会に届くような体制整備も進める。