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農政・農協ニュース

来年統合へ農林中金と栃木県信連が調印
JAバンクシステムの効率的運営図る (5/7)

調印式
 農林中金との統合に向けた調印第1号として5月7日、栃木県信連が一部事業譲渡契約を農林中金と結んだ。来月の総代会で承認後、農水省に認可申請し、来年5月6日に統合する。
 信連は法人向け貯金・貸出業務を農林中金に、また個人向け同業務を県内のJAに譲渡する。この一部事業譲渡方式により、信連は暫定的に存続し、当分は為替決済や県域に残された業務を行う。全面移管は5年後となる。

 調印式は東京都内の農林中金本店で行い、上野博史理事長はペイオフ時代に入り信頼性確保が「ますます重要」と強調。「信用事業が金融競争に勝ち抜いていくためにJAバンクシステムをより効率化しなければならない。今回の統合が、その成功のモデルとなるように取り組んでいきたい」とあいさつ。
 さらに式後の記者会見では「栃木では統合の基礎的条件である県内のJA合併が進んだことから、信連の大英断となったものと理解する。この統合で効率化が進めば全国的に組織整備への認識がさらに深まるものと思う」と語った。
上野博史農林中央金庫理事長(右)と藤原林次郎栃木県信連会長
上野博史農林中央金庫理事長(右)と
藤原林次郎栃木県信連会長
 また栃木県信連の藤原林次郎会長は「ここに至るまでには幾多の困難があったが、一つ一つ乗り越えてこられたのは農林中金や各方面の支援のたまものだ。今後とも期待に沿えるようがんばりたい」とあいさつ。記者会見では「栃木県のJA貯金残高は約1兆4000億円。貸出金残高は約3000億円で貯貸率は低い。将来を考えると県内の資金運用だけでは組合員・利用者へのメリット還元は至難だ。そこで現状の奨励措置などを上回るよりよい還元を期待して統合を検討した」と経過などを説明。さらに「全面的な事業移管までに積み残した問題を解決し、推進業務にも全力を挙げたい」と語った。
 同県内のJA貯金の伸び率は3月末で前年同期比4%ときわめて高く、全国で2位となった。また県信連の平成13年度決算予想では繰越剰余金4億3000万円、当期利益2514万円の黒字を見込む。自己資本比率は8.32%で8%基準をクリアしている。
 統合により同信連の職員は約50人を農林中金へ、約20人を県内JAへ、約30人を暫定信連へと割り振る案を今後検討する。

 なお農林中金は宮城県信連との統合でも基本合意し5月10日に統合調印のあと所要の手続きを経て今年10月15日に統合する。このため統合実現第1号は宮城となる。
 このほか秋田、山形、富山、岡山、長崎の5県信連が事実上、統合を決め、協議を進めている。


農業協同組合新聞(社団法人農協協会)
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