農水省の「生産調整研究会」はコメ政策の改革を幅広く流通面なども含めて検討中だが、そこに生産現場の意見を反映させるため、JAグループは7月にかけて現場での徹底した議論を展開する。5月9日の全中理事会はJAレベルの部会や集落、青年・女性部などでの検討の進め方を決めた。
生産調整は過去最大規模だが、効果は上がらず、米価低迷が続く。また▽減反しない農家のただ乗り▽地域による転作率の差▽豊作時の過剰米処理費を計画流通米出荷者だけが負担しているといった不公平感の拡大など今のコメ政策は多くの問題を抱えている。
JAグループの討議資料案「米政策の改革に向けた水田農業の課題と将来を考える」は、こうした問題点を列挙。「水田農業は零細・兼業農家が大半で…担い手を中心とした営農となっていない」とした。
このためコメ政策見直しは生産調整対策だけではなく、水田農業基本政策のあり方を総合的に検討する必要があるとの考えだ。
農水省の研究会は8月上旬に検討結果を中間整理する予定。同省はこれを受け10月には政策方向の検討に入りたいとしている。
それをにらんでJAグループは、現場討議とあわせて8月にかけ各段階で組織討議を実施。9月には全中の水田農業対策本部委員会で政策提案をまとめる。