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農政・農協ニュース

WTO実質交渉入りで世論盛り上げ図る
−−JAグループ (5/9)

 世界貿易機関(WTO)農業交渉は6月から、関税の平均引き下げ率やミニマムアクセスの計算方式などを含む数値上の実質交渉に入る。これに向けてJAグループは日本の主張を実現していくため海外農業団体との連携を強め、国内では地域の運動を活発化し、国内世論を盛り上げる。
 農業交渉は来年3月末に貿易自由化を進めるための数値基準を取り決める。このため5月9日のJA全中理事会は、それまでが極めて重要な期間になるとして具体的取り組みを決めた。
 国内ではJA組合員の理解を促進するためのタブロイド版を発行してWTO情勢を知らせ、また新しくポスター、ビデオなどの宣伝学習資材を作る。
 一方、全都道府県段階では食の安全などの課題も含めた議論の場(フォーラムなど)をつくるほか学習会やシンポジウムを開く。商工会議所などとの意見交換の場づくりも強める。
 海外に向けては、99年に結成した「協力のためのアジア農業者グループ」(9カ国)での活動を通して理解を求め、また10月に開く「ASEAN・日本・中国・韓国農相会議」にグループとして働きかける。韓国農協中央会との協議会は第一回を5月9日に開き、協議体制をつくった。「農業の多面的機能」を重視するEUの農業団体とアジア農業団体の連携確立に向けた国際会議を来年1月に開くことを検討する。一方、メキシコとブラジルからの野菜と果汁の輸入急増に直面している米国の生産者団体とはセーフガードを話し合うなど各国の農業団体と個別課題でも連携を図る。関税化ではカナダ、国際備蓄ではアジア地域などがあり、これら各国への代表団派遣を検討する。
 なお農業交渉では、市場アクセス、国内支持、輸出の各分野で、加盟各国に共通して適用される取り決めを「モダリティー」と呼び、WTO農業委員会は来年3月末に、これを確立するスケジュールで合意した。


農業協同組合新聞(社団法人農協協会)
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