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農政・農協ニュース

統合乳業会社設立へ
−−全農、雪印、全酪連 (5/23)

 JA全農理事会は5月23日、雪印乳業(株)、全国農協直販(株)、ジャパンミルクネット(株)(JMN)の3社の市乳事業を経営統合し、来年1月1日に新会社を設立することなどを了承した。今後、最終合意に向けて関係者の協議をさらに進める。雪印乳業も同日、新再建計画を発表。赤字続きの市乳事業を切り離して統合新会社に移し、本体はバター・チーズ・マーガリンなどの乳製品事業に特化する。全国農協直販は全農、JMNは全国酪農協連の子会社。
 新会社の資本金は約150億円。うち全農が40%の60億円を上限に出資、筆頭株主となる見込み。
 全農は全農直販の資本金35億円のうち86.2%を出資しており、新会社への60億円は、これを含めた出資額となる。
 新会社は牛乳、加工乳、乳飲料、発酵乳、果汁などを製造、販売し、売上高約2300億円を見込む。
 従業員数は約2000人の計画。現状は全農直販564人、JMN520人、これに雪印の市乳部門を加えると約3000人。余剰人員約1000人の調整は雪印側に任されそうだ。
 工場は雪印の21をはじめ3社統合で合計28となるが、雪印は新会社設立前に厳しいリストラで数工場を閉鎖する方向を検討。新会社の工場数は合計15程度となる見通しだ。
 全農は「いずれにしても現在の工場や営業所などをそのまま引き継ぐ形では、やっていけない。より効率的な生産体制が求められている」(四ノ宮孝義専務)としている。
 雪印の「青パック」牛乳は強いブランド力を誇っていたが、今、その力はない。新会社がこれを引き継ぐか、イメージを一新するかどうかも今後検討する。

◆雪印増資も引き受け 全農が筆頭株主に

 また全農は、雪印本体の第三者割当増資も引き受ける。雪印は計100億円規模の割当増資を各社に要請しているが、うち全農は50億円を限度に引き受けることを理事会で了承した。伊藤忠商事も30億円を引き受ける予定。さらに雪印は食品5社程度にも要請しており、アサヒビールなども出資する見通し。
 これにより全農は、新会社だけでなく、雪印本体の筆頭株主ともなる。
 全農としては、市乳事業の経営統合や雪印本体との事業提携などを通じて「酪農家の経営安定と『酪農と生活者を結ぶパイプ』としての機能をさらに強化していきたい」(四ノ宮専務)との考えだ。

 一方、雪印は農林中央金庫、UFJ銀行、みずほコーポレート銀行の主力3行に500億円の金融支援を要請した。中身は債権放棄と債務の株式化。
 これについて農林中金は5月23日「関係金融機関とともに最終合意に至ることができるよう、金庫としてもその具体的内容について、前向きに検討している」とのコメントを出した。
 雪印は現役員の大半が退任する見通しで、後任の副社長には、農林中金出身でJA全中常務の篠塚勝夫氏を迎える方針だ。


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