全農チキンフーズ(株)の虚偽表示事件で農水省から業務改善命令を受けたJA全農は6月11日、改善状況を同省に報告した。
責任の明確化では、すでに全農役員の辞任や全農チキンフーズの関係役員の処分などを決めたとした。
再発防止策では、4月までに「事業総点検」を実施したが、その結果を追求して引き続き事業刷新に取り組んでいくと約束した。
その中で、第三者による経営チェックは専門家を経営管理委員と監事にして牽制機能を強化するとした。7月に定款を変更、12月の総代会で選出する。
子会社管理体制の改革では、一元的に管理をする組織を設置し、また平成17年度までに約250社を半数程度に集約するとした。業種別に整理統合するなどの方法も挙げた。
さらに専門的な第三者を子会社の社外取締役と社外監査役にする。このため来年度の定時株主総会での選任を目途に食品関連の大会社に派遣を要請するが、順次、弁護士、公認会計士、大学教授、料理研究家などの起用も幅広く考える。
信頼回復では、全青協と女性協からの推薦者を経営管理委員に選任する。また消費者と生産者で構成する「ふれあい懇談会」を設置し、そこからの意見と要望を事業運営に反映させる。
懇談会委員は公募と生協の推薦による計15人程度とし、第1回は7月17日に開く予定。
さらに「食品安全と適正表示」の専任部署の設置や事業部門ごとの苦情・相談窓口の集約化も挙げた。
このほか法令順守(コンプライアンス)の強化では各職場の業務実施要領やマニュアルなどをISOの手法で見直し、具体的な業務執行の手順を明確にするという再発防止策もある。
また食品を扱う部署と子会社はISO9001の認証取得に取り組む。
報告後の記者会見で全農の四ノ宮孝義専務は「報告内容をきちんとやり切っていく」と決意を語り「消費者と生産者からの信頼を基本においた事業の抜本的な刷新には、意識改革が重要だ」と強調した。
なお報告は今後も3ヵ月ごとに行う。