18日の第6回生産調整部会では、委員のJA全中・山田俊男専務が過剰米対策の必要性と具体的仕組みについて説明。
過剰米対策の必要性について豊作など短期的な需給変動は避けられないこと、過剰の発生により長期的に米価の下落が続くことを指摘、現行の過剰米処理は計画流通出荷者の負担のみで行っていることから不公平感が生まれていることを強調した。
改革の方向として「国の制度」として過剰米対策を措置すべきだとし、過剰米を加工用などに安定的に供給するため国が買い入れる仕組みが必要としている。
一方、JAグループとしても、「売れる米を売れる量つくるという生産者の意識改革をはかるため、過剰分は主食用とは別に安価で出荷するとともに、委託集荷・共同計算の仕組みを見直すことが必要」としている。
JA全中が示した対策のポイントは、生産調整は生産面積を基本に配分し、「豊作となった場合、過剰米処理を生産調整達成の要件とする」こと。過剰米対策を計画流通制度から切り離して、生産調整の達成要件として生産者全員で対応するような仕組みとして提案した。
また、過剰米対策の効果は生産者全員におよぶことから、「法制度の裏付け」を含め生産者全員が拠出する仕組みが必要だとし、(1)生産枠の配分による拠出、(2)農業共済制度とリンクさせた拠出などを示した。
山田専務は、過剰米の処理対策がなければ「稲作経営の安定、主食の安定供給など、根底から崩れる。EU、カナダなどでも主要作物は財政負担をして対策をとっている」と日本も国の制度として導入する必要性を強調した。