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農政・農協ニュース

残留農薬 基準値の180倍
中国産冷凍ホウレンソウから検出
農水省、撤去を指導 (7/17)

 農水省は7月17日、小売店から買い上げた輸入冷凍ホウレンソウから高濃度の残留農薬が検出されたと発表した。
 原産国は中国で商品名は「ハートフラッグ小分けほうれん草」(300g入り)。(株)フードサービスジャパン(兵庫県神戸市)が3月に輸入し、(株)日本セルコ(東京都三鷹市)が同社の加盟スーパーに販売していた。農水省が買い上げたのは埼玉県さいたま市の小売店。
 同商品を独立行政法人農林水産消費技術センター本部(さいたま市)で分析したところ、有機リン系殺虫剤クロルピリホスが1.8ppm検出された。生鮮ホウレンソウの残留農薬の基準値は0.01ppm。同商品からは基準値の180倍の残留農薬が検出されたことになる。
 農水省から報告を受けた厚労省はさいたま市に対して関係小売店から同一商品の撤去を指導、さいたま市は(株)日本セルコに対して販売していたスーパー以外の加盟スーパー計10社からも同一商品を撤去するよう指導している。
 農水省によると、輸入した(株)フードサービスジャパンは、輸入後に指定検査機関で残留農薬の自主検査を受けておりこの商品もその対象だったという。分析対象農薬にクロルピリホスも含まれていたが、自主検査では検出されなかったという。
 冷凍野菜などの残留農薬問題に対して、農水省は6月20日から輸入野菜の買い上げ検査を実施している。
 対象検体は、生鮮、冷凍、水煮、塩蔵などの野菜約600で89農薬の検査を行う。原産国は中国、韓国、タイ、フィリピン、台湾。これまでに69検体の分析が終了している。
 この調査の目的は、輸入野菜に対して残留の可能性の高い農薬名などを公表することによって、業者の自主検査活動を助長し、同時に消費者に対してもリスク情報を積極的に公表していこうというもの。
 毎月末に検査結果をまとめて公表する方針だが、今回は基準値の180倍というきわめて高い値が検出されたため、商品名、関係業者名なども含めて公表した。今後、業者名の公表については「ケース・バイ・ケースで対応する」(総合食料局消費生活課)という。


農業協同組合新聞(社団法人農協協会)
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