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JA全農の通常総代会は25日、平成13年度決算などを承認のあと、経営管理委員会制度の導入に伴う委員27人を選任。また常勤監事5人も決めた。総代会後に開いた経営管理委員会では会長に木下順一全農副会長(長野県本部運営委員会会長)、副会長に種市一正氏(青森県同)と出利葉史郎氏(福岡県同)を選んだ。また経営管理委員会は理事9人を選任した。その後の理事会では理事長に田林聰常務、専務に岡阿彌靖正常務が決まり、新執行体制がスタートした。理事は全員が常勤で学識経験者からなる。
総代会では木下副会長があいさつで、全農チキンフーズ(株)問題以後の業務改善の取り組み概要を改めて報告。「 消費者と生産者からの信頼を基本において事業の抜本的な刷新をはかるとともに、引き続き役職員の意識改革に取り組む」との決意を示した。
コメ政策の改革では「全中と連携し、組織の意見を十分踏まえ(農水省の生産調整に関する)研究会への意見反映や農水省への対応を進めていく」と述べた。 また雪印乳業(株)などと全国農協直販(株)の市乳統合会社設立では酪農家の経営安定と「酪農と生活者を結ぶパイプとしての事業機能の強化」の観点を説明して、増資引き受けを提案。また雪印乳業本体の第三者割当増資引き受けも提案した。
監査報告では所見が添えられ、13年度も「事業分量の減少に歯止めがかからなかった」と指摘。(1)販売力と商品開発力の強化(2)推進機能の強化による事業拡大(3)子会社の再編と管理の強化、を要望した。
質疑では「生産調整にもかかわらず米価が下がるのはミニマムアクセス米と、コメ加工品輸入の影響ではないか」との質問に岡阿弥常務は「影響がないとはいえないと思う。国産米販売は加工用分野で伸びているが、それが一定程度で止まればミニマムアクセス米は明らかな脅威になる」との見方をしめした。
また「農水省の食と農の再生プランは農業への企業参入を掲げているが、昔のような地主と小作の関係をつくり出してはならない。全農の考えはどうか」との質問には四ノ宮孝義専務が「再生プランの具体化にあたっては、農地を守り、企業参入に歯止めをかける立場で意見を主張していきたい」と答えた。
「農水省は消費者に軸足を置くというが、生産者にも片足をかけ、両足で踏ん張るように全農はがんばってほしい」との要望などもあった。
次いで決算を承認した。概況は取扱高が5兆5340億円で、経済連との合併があったため前年度実績を上回っているが、計画に対しては未達で93%にとどまった。
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総代会後記者会見する木下順一会長(中)
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自主流通米価格の低下、青果物価格の低迷、生産資材で低価格品の普及が推進されたことなどが響いた。
一方、当期利益は事業運営の効率化・合理化と経費節減などに努めて97億7000万円と計画を達成。この結果、剰余金処分は計画に沿って2%の出資配当16億8500万円を実施し、21億500万円を次期繰越金とした。
続いて雪印乳業の増資引き受けなどを承認。
そのあと推薦された経営管理委員と監事を信任投票のかたちで選任した。
経営管理委員には会員外から担い手代表として全国農協青年組織協議会参与、また農村女性代表としてJA全国女性協議会顧問の二人が入った。
専門的知識を有する第三者の経営管理委員一人は12月の臨時総代会で選任するため、今回の通常総代会で定款を変更。定数を28人とした。