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農政・農協ニュース

価格が上向かないことが問題
米の生産調整に関する意向調査 (7/25)

 農林水産省は、7月25日に「米の生産調整等に関する意向調査結果」を公表した。
 14年度の取り組みについては「これまで同様に目標を達成したい」が55.5%、「できる範囲で協力したい」が34.3%、「協力するつもりはない」が5.6%だった。
 目標を達成したい、との回答は面積規模が大きくなるほど高く、3ha以上層では71.7%となっている。
 生産調整の問題点としては「目標面積が年々増大しているにも関わらず米の価格が上向かないこと」がもっとも多く、76.2%を占めた。次いで「押しつけ的なものになっている」が60.0%、「いろいろな不公平や不公平感があること」が52.4%だった。
 不公平の内容については「規模の大小に関わらず一律に配分されること」が57.7%、次いで「未達成県があったり、非協力者や過剰米処理の基金に協力しない者がいること」53.9%、「湿田地帯など水稲以外作りにくいにも関わらず、転作しなければならない」52.3%、などだった。
 不公平を解消する措置としては「メリット措置の強化」がもっとも多く58.6%、次いで「未達成者にペナルティ(罰則)を課すこと」41.2%、「参加を生産者の選択に委ねること」35.2%、「生産調整そのものを廃止すること」33.4%などとなっている。
 新たな生産調整の仕組みについては「生産者の全員参加を義務化するなど厳格化したほうがよい」が25.8%、「生産者の選択に委ねる仕組みにしたほうがよい」が24.2%、「生産調整は廃止したほうがよい」が24.1%、「現行の仕組みでよい」が22.4%とほぼ4分の1ずつの割合となっている。
 このうち、生産調整の選択制や廃止を求めた回答者に、米価が下落した場合の対策について聞いたところ「過剰米処理の充実を図る」が43.5%ともっとも高く、次いで「セーフティネットの充実」が27.0%だった。「とくに対策は必要がない」も19.5%あった。

◆計画外は「JAへ」が6割

 同調査では米の出荷・販売についても聞いている。
 計画流通米として出荷する理由は「これまで計画流通米として出荷してきたから」がもっとも多く48.1%、次いで「JAや地域とのつきあいがあるから」が47.2%、「計画流通米以外に適当な販売先がないから」が38.6%、「稲作経営安定対策の補てんが多いから」が21.4%となっている。
 「計画流通米として出荷するつもりはない」は14.2%で、面積規模別では0.3ha未満層ではもっとも高い回答となっている。
 計画外流通米の出荷・販売先では、「JA」がもっとも多く56.2%、「親戚・知人を通じて一般消費者へ販売」が40.1%、「集荷業者(いわゆる買い子といわれる業者)」が16.0%となっている。


農業協同組合新聞(社団法人農協協会)
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