農水省は、文科省、経産省などとともにバイオマスの総合的な利活用に関する「バイオマス・ニッポン総合戦略骨子」を7月30日に発表した。
農林水産資源や有機性廃棄物など有機性資源であるバイオマスをエネルギーや製品として利用することは、地球温暖化防止や循環型社会の形成、農林漁業と農山村の活性化からも求められている。この骨子は、バイオマスの活用により持続可能な社会の実現をめざす戦略を示したもの。
当面、△国民理解の醸成を図り、地域レベルでの自発的な取り組みのための情報提供、△新技術や優良事例の評価、消費者への普及啓発の実施、△モデル地域を設定し実証実験としての資源循環型コミュニティづくりなどを進めるほか、バイオマスの生産、収集の戦略として、△農業廃棄物を効率的に収集するシステムの構築支援、△都市部で発生する食品廃棄物などを受け入れ可能な農山村漁村へ効率的・安定的に運搬するシステムの構築支援、△林地残材の効率的な生産・運搬・流通システムの構築の検討などを緊急に進めるとしている。
同骨子では、バイオマスの多くが農山漁村で発生することをふまえ、バイオマスの利活用が農林漁業と農山漁村の活性化のための有効な手段として位置づけることが必要だと強調している。