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農政・農協ニュース |
創意工夫が生かせる稲作経営の確立を |
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全国稲作経営者会議(太田良治会長、会員数1800人)は7月31日に米政策への提言「稲作経営の将来展望」を公表した。
同会議は、米政策の見直しにあたっての基本的視点として、(1)稲作経営者の創意工夫が生かせるよう「選択制」を基本に力強い稲作経営の確立をめざすこと、(2)需要に見合った計画生産に、一定の競争原理が働く仕組みを加え、同時に急激な米価下落を招かないよう施策を講じること、(3)国民のかけがえのない資産である水田機能の維持・保全のための施策を別途講じること、(4)新たな米政策は少なくとも5年間は変更しないこと、を上げている。 そのうえで需給調整と生産調整については、用途別、価格別などに実態を反映させた真に需要に見合った生産数量目標を的確に示し、「稲作経営者の経営判断による主体的な取り組みを進め得るものにすること」と提言。ただし、生産目標の提示は、生産面積もあわせて示すべきだとしている。 また、生産調整に参加する稲作経営者には地域の実情に即したメリット助成を行い、一方、参加しない稲作経営者は「自己責任でリスクを負う」仕組みにするよう求めている。過剰による価格低下への対応は、メリット措置と自己責任を基本とすべきとしている。 流通制度については、(1)多様な米流通のルートが共存し得るより弾力的な制度への見直し、(2)価格形成機能の整備と流通情報が迅速かつ的確に提供される仕組みの整備、を提言したほか、稲作経営者が品質管理に責任を持つため、米検査員の資格を取得できるよう運用改善を図ることも求めている。 このほか、水田農業の構造改革では、(1)急激な価格変動に対する経営所得安定対策の早急な整備、(2)農業災害補償制度は任意加入制度を含めたメニュー方式を検討、(3)担い手への農地の面的集積の促進、(4)田畑輪換が行える基盤整備と麦・大豆の本作化の推進、などを提言している。 |